スーツの色で与える印象は変わる
細かい差はありますが、ビジネススーツのデザインはほとんどが共通しています。そのため、与える印象に大きな影響を与えるのは「色」や「柄」です。定番カラーの「ネイビー」「グレー」「ブラック」から揃えるのがセオリーですが、実はその3色でさえ明るさによって印象は変わるのです。それぞれの特徴を解説しますので、色柄を活用してスーツスタイルを上手に着こなしましょう。
ネイビー
ネイビーとは「紺色」のこと。明るさによって印象は少し変わりますが、ビジネススーツの定番カラーとしてもっとも支持されています。大きな特徴は、「落ち着き」と「清潔感」を兼ね備えている点。だからこそ汎用性が高く、幅広いシーンやコーディネートに対応します。
ダークネイビー
スーツの色は暗くなるほど「落ち着いた印象」が高まるとされています。ダークネイビーもそのような落ち着いた雰囲気が強く、「堅実」「誠実」「真面目」といった印象を与えます。特に、人から信頼を得たい場合には、ダークネイビーのスーツが貢献してくれるはずです。
ライトネイビー
スーツの色は明るくなるほど「爽やかさ」や「若々しさ」が増します。ライトネイビーも「爽快感」が強く、「フレッシュ」な印象を与えます。しかし、そのようなイメージが軽率な印象につながらないように、他のアイテムで落ち着いた色を使い、バランスを整えることがおすすめです。例えば、ダークトーンのネクタイで印象を引き締めると効果的です。
【参考】ネイビースーツのコーディネート集
グレー
グレーとは「灰色」や「ねずみ色」のこと。明るさの違いによって細かく種類が分かれています。スーツで主に使われるグレーの種類は、明るい方から「ライトグレー」「ミディアムグレー」「ダークグレー」「チャコールグレー」の4種類。そのすべてをグレーと呼ぶこともあれば、ミディアムグレー(〜ダークグレー)あたりの明るさをグレーと呼ぶケースもあります。明るさによって魅力が変わりますが、「都会的」「モダン」「知性的」といった印象を引き出すように着こなすのがおすすめです。
チャコールグレー
チャコールグレーはかなりのダークトーン。明るめのブラックとも言える色味です。「重厚感」や「品格」を感じさせるカラーなので、それを意識して着こなすのがポイント。正統派のVゾーンでまとめれば品格が高まり、Vゾーンで少し遊んでも品位がキープできます。あえて全身を無機質なモノトーンでまとめてもおしゃれですが、サックスブルーのシャツを合わせるとこなれ感が出るのでおすすめです。
ライトグレー
グレーが持つ「都会的」「モダン」といった印象が際立つのがライトグレー。柔らかい印象も生まれるので、コーディネートの幅が広がります。ライトネイビーよりも派手な印象がないのでビジネスシーンでも着こなしやすい一方、Vゾーンによって印象は一変。ピンクなどの色味を差すと華やかなムードになり、カジュアルなパーティーなどにぴったりです。
【参考】グレースーツのコーディネート集
ブラック
ブラックとは「黒」のこと。日本においては、ネイビーやグレーと並ぶスーツの定番カラーです。ビジネススーツのブラックは少し明るさやツヤ感があり、チャコールグレーに近い色味の場合もあります。いずれにしても、ビジネスシーンの黒いスーツは「クール」な印象が大きな魅力。他のアイテムをモノトーンかブルー系でまとめると、クールな魅力が拡大できます。その一方、黒と白でまとめ過ぎて喪服に見えないように注意も必要。ヨーロッパなどでは「黒いスーツ」=「喪服」として見られてしまう場合もあるため、取引相手によっては避けたほうが無難です。
【参考】黒のスーツを選ぶポイントは?
ブラウン
3大定番カラーに続くポピュラーな色として、ブラウンが挙げられます。ブラウンとは、「茶色」のことを指します。定番カラーが寒色系や無彩色であるのに対し、ブラウンは暖色系であり、「温かみ」「優しさ」などを感じさせます。また、ブラウンは「安心感」「ナチュラル」「クラシック」といった印象を与えることも特徴の一つです。一方で、「野暮ったさ」を感じさせる色でもあるため、その点には注意が必要です。具体的には、寒色系やモノトーンのアイテムを組み合わせて都会的にまとめることがおすすめです。ブラウンのスーツをおしゃれにコーディネートできている人はそう多くはないため、それだけで差別化できます。
ダークブラウン
深みのあるブラウンは、落ち着いたムードです。ブラウンならではの「安心感」が強い色味で、比較的コーディネートしやすいのも魅力です。ダークブラウンのスーツには、ダークブラウンの革靴やベルトを合わせるのがセオリー。だからこそ、同色で揃え過ぎて平坦なコーディネートにならないように意識するのがポイントです。Vゾーンにモノトーンか寒色系カラーのアイテムを取り入れるとバランスが整います。
ライトブラウン
ダークブラウンがチャコールグレーに近い印象になるのに対し、ライトブラウンはブラウンならではの特徴が際立ちます。つまり、「温かみ」「安心感」「クラシック」「ナチュラル」といったイメージが強くなります。また、「野暮ったい」印象にもなりやすいため、どこかにクールな黒かフレッシュな白を差してバランスを調整すると、こなれ感のあるビジネススタイルにまとまります。
【参考】ブラウンスーツを着こなすポイントは?
ベージュ
ベージュはかなり明るいトーン。そのわりに品格を感じさせ、ブラウン系カラーならではの「温もり」も感じさせる特殊なカラーです。「温かみ」ある暖色系なので秋冬シーズンに最適と思いきや、明るい色味なので春夏シーズンにもぴったり。その意味でも珍しい色と言えます。多面的な魅力があるからこそ、合わせるアイテムによってコーディネート全体の印象が大きく変化。Vゾーンなどで個性が打ち出しやすいのも魅力です。
ブルー
ブルーはライトネイビーよりも明度や彩度が高く、「爽やかさ」だけでなく「華やかさ」も感じさせる色。シーンや着る人を選びますが、きちんと着こなせればかなりおしゃれです。合わせるアイテムで落ち着きを補い、全体のバランスを整えるのが基本テクニック。ダークネイビーのネクタイなどで引き締めつつ、全身を同系色でまとめると着こなしやすいはずです。華やかさを感じさせるブルーのスーツは、カジュアルなパーティーにも適しています。
スーツの柄でも印象が変わる
スーツは色のインパクトが強いのですが、生地の「柄」でも印象が大きく変わります。ビジネススーツに使われる柄は限られていますので、定番柄の特徴はここで覚えてしまいましょう。
ストライプ
スーツにおいて無地に次ぐ定番が「ストライプ柄」。無地に匹敵するくらい汎用性が抜群ですが、少しシャープな印象を与えるのが特徴です。線の太さによって印象が変わり、線が細くて目立たないほど上品、線が太いほどカジュアルな印象になるのが基本原理。スーツでよく使わるストライプ柄は線の太さによって3種類に分けられ、品格の高い順に「ピンストライプ」>「ペンシルストライプ」>「チョーストライプ」となります。また、2種類の線が交互に並ぶ「オルタネイトストライプ」も定番的。線の種類が多いと少しカジュアルな印象になります。
シャドーストライプ
シャドーストライプは柄の種類ではなく、生地の織りによってストライプ柄を表現しているのが特徴。同色の織り柄と言えばわかりやすいでしょうか? 光沢感の変化で柄を描いているため、遠目では無地に見えるのによく見るとストライプ柄が潜んでいる表情が独特です。無地と同じように着回せますが、無地よりも表情があってこなれたムードの演出が可能。良いとこ取りの柄とも言えます。定番的なストライプ柄に加え、「ヘリンボーン(ストライプ)」を描いたシャドーストライプのスーツも一般的です。
グレンチェック
英国の伝統的なチェック柄である「グレンチェック」の正式名称は「グレナカートチェック」。ヘアラインストライプや千鳥格子(ハウンドトゥースチェック)を組み合わせたチェック柄のことで、トラッドな雰囲気が大きな魅力です。色使いはホワイト×ブラックが定番ですが、他の色で構成したり差し色となるラインをプラスしたタイプもあります。
ウインドぺーン
「ウインドペーン」は「ウインドウペイン」や「ウィンドウペン」などと表記されることもありますが、直訳すれば「窓枠」のことです。1色使いのシンプルなチェック柄のことで、こちらもイギリスの伝統的な柄。トラッドな印象を振りまきます。シンプルなチェック柄なので着こなしやすい一方、ストライプ柄よりはややカジュアルな印象に。色使いはさまざまで、色の組み合わせによって印象も変わります。
シャドーチェック
シャドーストライプと同じく、同色の織り柄でチェックを表現していることも珍しくありません。柄の存在感が薄いため、無地に近い感覚で着こなせますが、シャドーストライプよりは若干カジュアルな印象になるということは覚えておきましょう。
【シーン別】おすすめしたいスーツの色柄はコレ!
スーツの色と柄について簡潔に説明しましたが、あまりにも種類が多くてすぐに把握するのは難しいかもしれません。シーン別におすすめの色柄をピックアップしますので、まずはここで紹介するタイプから着こなしてみてください。
ビジネスシーン
ビジネス用のスーツは、3大定番カラーである「ネイビー」、「グレー」、「ブラック」の「無地」から揃えるがおすすめ。とくにダークトーンを揃えておけば幅広く使えます。さらにバリエーションがほしい場合は、明るいトーンのネイビーかグレー、ダークブラウン、定番カラーのストライプ柄を追加するようにしましょう。他の色や柄は上級者向きなので、着こなせる自信があれば追加するくらいの感覚がおすすめです。
【参考】ビジネススーツについて詳しくはこちらをチェック
就職活動や面接シーン
就職活動用のリクルートスーツは「ブラックのスーツ」が主流になっていますが、定番カラーの「ダークネイビー」なども選択肢に入れて問題ありません。いずれにしても、きちんとスーツを着こなすことで、社会人としての常識をわきまえていることを伝えるのが最優先です。王道は、「白い無地のシャツ」に「レジメンタルストライプのネクタイ」を合わせるコーディネート。アパレル業界やクリエイティブ職などの中途採用では、もう少し個性のあるスーツスタイルのほうが評価されるかもしれませんが、小手先の個性は見透かされてしまいます。自信がなければ正統派の着こなしがおすすめです。
【参考】就職活動での服装マナーを確認しよう
パーティなどの華やかなシーン
フォーマルな「結婚式」では、「冠婚葬祭用のブラックスーツ」を着用するのが原則。マットなブラックの無地を選び、フォーマルに着こなしましょう。 ただし、「カジュアルな形式のパーティー」なら、他のカラーや控えめな柄入りの「ビジネススーツ」を着用してもOK。少し明るめのスーツで華やかさを演出しても問題ありません。派手になり過ぎないように気をつけつつ、正統派のコーディネートをベースにしながら小物で個性を加えると好バランスです。
【参考】知っている様で知らない、結婚式の服装マナーをチェック
まとめ
スーツに使われている色や柄の特徴を解説しましたが、汎用性の高さを優先するなら、「無地」の「ダークネイビー」、「チャコールグレー」、「ブラック」を揃えておけば万全です。そんな定番カラーが主流だからこそ、他のカラーで差がつけられるのもまた事実。気分や目的に応じて、スーツの色柄も工夫してみてください。実際の印象は色味に加え、色×柄の組み合わせよっても左右されます。 〈SOLVE(ソルブ)〉のオーダースーツで使える生地一覧 も参考にしつつ、自分に最適な色柄を探してみましょう。
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