革靴もスーツと同じくマナーが大事
スーツの着こなしには厳格なルールがあり、足元の革靴までしっかり適用されます。スーツスタイルの品格を高めためには、ルールを遵守しつつ少し上質で手入れの行き届いた革靴を履くのが理想的です。靴をテーマにした記事などでは、「おしゃれは足元から」という言葉がよく引用されますが、それは本来「個性のある靴を選ぼう」という意味ではありません。「靴にステータスが表れるので、足元まで抜かりなくコーディネートすべき」といった意味合いです。スーツスタイルを台無しにしないように、「靴まできちんと意識する」ことが重要。それができると、全体的な印象はクラスアップします。
【シーン別】スーツに合わせる靴選びのポイント
スーツに合わせるべき革靴のルールは原則的には不変ですが、「シーン」によって若干ニュアンスは変わります。シーン別に選ぶべきポイントを解説しますので、TPOにマッチする革靴を選ぶようにしましょう。細かい仕様やタイプは追って解説しますので、わからない場合は随時チェックしながら読んでみてください。
ビジネスシーン
ビジネスシーンは服装に合った革靴を選ぶのがポイント。きちんとしたスーツスタイルやリクルートスーツには、「内羽根式」の「ストレートチップ」を合わせるのが原則です。また、少し遊び心があるようなスーツスタイルには、「外羽根式」や「プレーントゥ」、「ウイングチップ」や「モンクストラップ」などの革靴を合わせても問題ありません。
フォーマルな場
フォーマルな場でのスーツスタイルは、もっともルールが厳格です。そのため、革靴の中でもフォーマル度が高い「内羽根式」「ストレートチップ」「黒」「スムースレザー」を選ぶのが絶対。余程の理由がない限り、ルールを守るようにしましょう。内羽根式のストレートチップシューズはビジネスシーンでも使えますので、最低でも1足は揃えておくのがおすすめです。
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パーティー
パーティーの種類にもよりますが、結婚式の二次会をはじめとする少しカジュアルなパーティーでは、華やかさを演出するのがセオリー。「ウイングチップ」や「メダリオン」などの靴で足元に華やいだムードを加味しましょう。デザインや色味などが少しカジュアルでも許される場なので、明るいブラウンなどを選んでもOK。節度を守りながら個性を演出するのがおすすめです。
【仕様別】スーツに合わせる靴選びのポイント
次に、「仕様」による特徴を解説します。些細な違いに思えるポイントもあるかもしれませんが、そうした細部も重要。いったん覚えてしまえばずっと使える知識なので、ここでしっかり把握しておきましょう。
「内羽根」か「外羽根」か
ハトメ(靴ひもを通す)があるレースステイ部分が「羽根」。その羽根が、アッパーの内側にある仕様(やアッパーと一体化している仕様)を「内羽根(うちばね)」、アッパーの外側にある仕様を「外羽根(そとばね)」と呼びます。「内羽根」はフォーマル度が高く、「外羽根」はややカジュアルなのが基本原理。スーツのフォーマル度に合わせて羽根の仕様も選ぶのがルールです。より上品な「内羽根式」はビジネス〜フォーマルまで幅広く使えるのが利点。「外羽根式」は左右の間に隙間があって羽根が開きやすく、着脱がしやすいという長所があります。
色
スーツに合わせる靴の色は「ブラック」か「ブラウン」が王道。その他のカラーは必要ないくらいです。また、靴などの革小物はスーツの色味や明るさに合わせるというルールがあります。ブラックのスーツはもちろん、ダークネイビーやチャコールグレーのスーツも合わせる靴は「ブラック」。明るめのネイビーやグレー、その他のカラーに合わせる靴は「ブラウン」が原則です。色味よりも明るさを揃えるというのがポイント。つまり、ブラックスーツを着るフォーマルな場では必然的に黒の靴を選ぶことになります。ただし最近は、ビジネスシーンを中心にあえてブラウンの靴を選んでハズす着こなしも増えきました。とは言え、それはあくまで上級者向きの「ハズし」なので、まずは基本ルールを守るのがおすすめです。
素材
スーツに合わせる革靴の素材は「スムースレザー」と「スエード」に大別できます。上品なスーツスタイルでは、滑らかでツヤやかな「スムースレザー」を合わせるのが原則。さらに、スムースレザーも「天然皮革」と「合成皮革」があります。言うまでもなく、「本革」とも呼ばれる「天然皮革」のほうがより上品。「シンセティックレザー」や「エコレザー」などとも呼ばれる合成皮革の品質が向上していますが、予算とも相談しながら本革製の靴を1足は揃えておきたいものです。
国別
スーツはイギリス発祥ということで、それに合わせる靴も「イギリス式」が正統派でありもっとも伝統的です。イギリス靴は「グッドイヤーウェルテッド製法」が主流。その前身である「ハンドソーンウェルテッド製法」も見られます。こちらのほうが返りが良く足当たりもソフトですが、高い技術が必要で希少性が高まっています。「アメリカ式」の靴は機能的で、ややカジュアルなデザイン。足型に合わせた少し丸みのあるフォルムも特徴的で、日本人の足に合いやすいのもポイントです。アメリカ靴も「グッドイヤーウェルテッド製法」が主流で、この製法が生まれたのもアメリカ。安定性や耐久性に優れ、ソールが磨り減ったら靴底全体の交換が可能です。「イタリア式」の靴は、スタイリッシュで色気を感じさせるデザインが魅力。つま先が細めのフォルムが特徴的です。イタリア靴は伝統的に「マッケイ製法」で作られてきました。返りが良く、その特性を生かすために柔軟で軽やかな素材を用いることが多いのも特徴です。
サイズ
本革の靴は履いているうちに少し伸びて足にマッチしてきますが、当然ながら限度はあります。最初からできる限り最適なサイズを選ぶようにしましょう。試着する際は、足に触れる部分をすべてチェックするのが理想。「爪先」や「かかと」、「小指」をはじめとする「両サイド」、「土踏まず」のフィット感、「くるぶし」と「履き口」の関係、「甲の高さ」まで確認できたら万全です。また、靴を履いていて「痛くなる箇所」があるなら重点的にチェック。「足のむくみ」や「合わせる靴下」まで考慮して試着できたら完璧です。
【タイプ別】スーツに合わせる代表的な靴の種類
革靴のタイプは主に、「つま先(トゥ)のデザイン」で分けられます。ちなみに、すでに解説した「内羽根式」と「外羽根式」は甲のデザイン。そうした仕様とつま先のデザインの組み合わせにより、細かく分類できると思ってください。ここでは、スーツに合わせる靴を選ぶ際に知っておくべき「7つのタイプ」を解説。ルールを守りつつ、デザインで個性を演出することも可能です!
ストレートチップ
ドレスシューズの中で、もっともフォーマル度が高いタイプが「ストレートチップ」。その名の通り、つま先を横切る直線的な切り替えが特徴です。すでに触れたように、「ストレートチップ」×「内羽根」×「黒」の革靴ならビジネスからフォーマルまで対応。冠婚葬祭でも使える大人の必需品です。
プレーントゥ
「ストレートチップ」と同じくくらいオールマイティーに使えるのが「プレーントゥ」。装飾的な要素が一切なく、シンプルな印象を与えます。そのため、他のディテールによって雰囲気が変わるという特徴も。「外羽根」×「合成皮革」など、カジュアルな要素が重ならないように意識すると、プレーントゥの靴でもスーツに相応しい品格が確保できます。
ウイングチップ
つま先のキャップが翼(ウイング)のようなW字状になっているのが「ウイングチップ」です。ストレートチップと比べて華やかな印象を振りまくのが大きな特徴。その反面、少しカジュアルな面持ちになりますが、ビジネスシーンでは定番的なデザインです。
Uチップ
U字状の切り替えが入ったつま先は「Uチップ」と呼ばれます。一見シンプルで上品にも見えますが、カントリーシューズなどが起源ということでカジュアルなデザインです。その点を把握した上でスーツに合わせるなら問題ありませんが、迷うくらいならスーツには合わせないのが無難です。
メダリオン/ブローグ
「メダリオン」はつま先部分の「穴飾り」のこと。装飾的なディテールで、華やかでカジュアルな印象を与えます。ちなみに、他の場所にある穴飾りは「パーフォレーション」や「ブローギング」といった呼び方に。靴全体の穴飾りの多さなどにより、「フルブローグ」「セミブローグ」「クウォーターブローグ」というタイプに分かれます。
モンクストラップ
「モンクストラップ」はつま先のデザインではなく、靴を留める独特なストラップのこと。修道士(モンク)が履いていたサンダルが起源のため、「モンクストラップ」と呼ばれています。ドレスシューズは本来、靴ひもで留める「ひも靴」ばかりですが、モンクストラップだけはスーツに合わせてOK。ただし、留め具のメタルが華やかな印象で、少しカジュアルなタイプにはなります。留め具の数によって「シングルモンク」や「ダブルモンク」と細かい呼び名が変わり、留め具が多いほどカジュアルです。
ホールカット
「ホールカット」もつま先のデザインではなく、靴全体のデザインを指します。「ホール(whole)」は「全体」という意味で、「ホールカット」とは一枚革でアッパー全体を包み込んだタイプという意味。「ワンピース」と呼ばれることもあります。継ぎ目がないため高い技術が必要で、ミニマルかつエレガントな表情に仕上がるのが特徴。必然的につま先はプレーントゥになり、オールマイティーに使えます。
まとめ
スーツに合わせる靴を選ぶ際のルールは把握できたでしょうか? 最初は細かく思えて面倒かもしれませんが、いったん覚えてしまえば靴を選ぶのは簡単。厳格なルールの中で個性を演出するのが大人のおしゃれと心得ましょう。
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