リクルートスーツとビジネススーツの違い
そもそもリクルートスーツとはどんなスーツでしょう? わかりづらいかもしれませんが、ビジネススーツと比較することで違いが明確になります。名前の通りではありますが、「リクルートスーツ」は新卒の就職活動用。期間と用途が限定されたスーツです。一方、「ビジネススーツ」は仕事用。時期や期間を問わずビジネスシーンで着用するスーツです。リクルートスーツは就活用なので、こなれ感や上質感などを演出する必要はありません。むしろ、学生や新社会人らしい「フレッシュさ」や「清潔感」が求められます。さらに「誠実性」や「協調性」なども演出できたら万全です。リクルートスーツは期間や用途を絞り込んだスーツだからこそ、目的を達成するためのセレクトが重要。就職活動においてスーツで加点されるのは珍しいケースなので、「減点されないスーツ」を選ぶことが最優先です。
男性編
デザイン・サイズ感
リクルートスーツは、オーソドックスな仕様を選ぶのが原則。ジャケットは「2ボタン」「ノッチドラペル」が基本です。スラックスは「ノータック」か「ワンタック」で、裾は「シングル」を選びましょう。ポケットが意外と重要で、ジャケットもスラックスも「セットインポケット(切り込みポケット)」が正解。パッチポケット(アウトポケット)はカジュアルな仕様なのでNGとなります。サイズ感は「ジャスト」。ダラしなく見えてしまうオーバーサイズは避けましょう。ジャケットの着丈はヒップが半分〜すべて隠れる程度の長さが目安です。袖丈は、手を下ろした際に袖口が手首に掛かるくらいが適正。袖口からシャツが少し見えるように着こなします。スラックスの総丈や股下は、裾が靴に触れて少しシワが入る「ハーフクッション」程度が一般的です。スーツスタイルはサイズ感が重要なので、慣れるまでは試着しつつショップスタッフに相談しながらしっかり確認しましょう。自分に合ったサイズで仕上がるオーダーメイドを利用するのもおすすめです。
色・柄
リクルートスーツは柄のない「無地」が前提。カジュアルな印象や派手な印象を避けるには、シンプルでマットな無地を選ぶのが得策です。どうしても無地を選びたくない場合は、シャドーストライプのような控えめな柄なら許容範囲です。色は定番カラーのダークトーンが絶対。スーツにおける定番カラーはネイビー、グレー、ブラックですが、リクルートスーツでは「ブラック」か「ダークネイビー」がおすすめです。とくに最近は黒が圧倒的な主流。1990年代まではネイビーでしたが、コレクションブランドの提案によってブラックスーツが一般化し、2000年代以降はブラックが増加しました。最近は就職後にスーツを着る機会が減り、冠婚葬祭にも流用できるブラックスーツがいっそう重宝されるようになっています。ただし、公務員試験や堅い企業の採用試験を受ける場合は、ダークネイビーを選ぶのが無難。ブラックスーツに対してフォーマルやモードといった昔ながらのイメージを持っている採用担当者や面接官も少なくないからです。また、黄色人種である日本人の肌の色にはネイビーが合うと言われています。爽やかでフレッシュな印象が演出しやすいのもネイビーの強み。状況や好みに合わせ、ブラックかダークネイビーのスーツを選ぶようにしましょう。
素材・生地
自宅で洗える「ウォッシャブル」な生地を選ぶのがイチ押し。ケアがしやすいからです。勉強やバイトの合間に行う就職活動はスーツのケアが意外と大変。汚れたりシワが入ったりしたらすぐに洗える「ウォッシャブル機能」があるだけで、クリーニングに出す時間や経費が節約できてかなり助かります。速乾性のある生地ならさらに便利。ストレッチ性があればスーツに不慣れでも窮屈に感じにくく、ストレスを緩和できます。スーツの生地に関する基本原理も補足しておくと、スーツはデザインがほとんど決まっているため、生地で差別化するのは重要なポイント。天然素材で繊維が細いほどタッチがなめらかで上質感が高まります。「スーパー120」といった細番手のウール糸を使った生地のスーツが重宝されるのは、上質感が強いためです。リクルートスーツを社会人になってからも流用するのが前提であれば、最初から天然素材を使った上質感のあるスーツを選ぶ合理的な意味はあります。ただし、実際にスーツを着用することで適性や好みもわかってきます。そのため、まずはケアしやすい機能的な生地を優先するのがおすすめ。社会人になってから上質感のあるスーツを揃えても遅くはありません。
女性編
デザイン・サイズ感
女性も男性と同じく、リクルートスーツはオーソドックスなタイプを選ぶのが原則。ジャケットは「2ボタン」「ノッチドラペル」が基本です。ボトムスはスカートとパンツがチョイス可能。一般的なのはスカートで、誠実で真面目な印象が演出しやすいメリットがあります。最近はパンツスタイルも増えていて、活動的で行動力があるイメージが打ち出せるのが特徴です。サイズ感は「ジャスト」が原則。男性よりもジャケットの着丈はやや短めで、ヒップに掛かるかどうか程度の長さが目安です。ちなみに着こなしも男性とは異なり、ジャケットのボタンはすべて留めるのが基本。袖口からシャツが見えないバランスが原則です。パンツも少し短めで、裾にクッション(シワ)が入らない程度の長さ。スカートは膝丈くらいが目安で、座ったときに短くなり過ぎない丈感が基準です。
色・柄
女性もリクルートスーツは「ブラック」か「ダークネイビー」の「無地」を選ぶのがおすすめです。アパレル系など、服装の自由度が高い企業を受ける場合は少し明るめのカラーを選んで垢抜けた印象を演出しても問題はありません。ただし、目立つ分だけリスクもあるので、迷うくらいなら定番カラーを選ぶのがおすすめです。
素材・生地
素材や生地もポイントは男性と変わりません。自宅で洗濯できる「ウォッシャブル」などの機能を備えた生地のリクルートスーツを選び、こまめに洗って清潔感をキープすることが大切です。
男女別!リクルートスーツに合わせる小物選びのコツ
リクルートスタイルはスーツだけでは完結しません。合わせるアイテムによって印象が大きく変わるので、小物まで気を抜かず選ぶようにしましょう。コーディネートに欠かせないアイテムをピックアップし、選ぶ際のポイントを解説します。
男性編
シャツ
リクルートスーツに合わせるシャツは、定番カラーのなかでももっともシンプルでピュアな「白の無地」が基本です。襟型も定番の「レギュラーカラー」か「セミワイドカラー」を選ぶようにしましょう。また、ジャケットの袖口からシャツが少しのぞくように着用するのが原則。必然的に半袖のシャツはNGになります。首元、前立て、袖口などにワンポイントの柄が入っているようなデザインもカジュアルな印象になってしまうのでNG。就職活動に遊び心のあるデザインはいりません。
ネクタイ
ネクタイもオーセンティックな柄を選ぶのが鉄則です。柄は「無地」か「レジメンタルストライプ」がおすすめ。小紋柄、クレスト柄、ペイズリー柄などはクラシックな印象が強く、フレッシュなイメージが薄れてしまうので避けたほうが無難です。ネクタイの結び方は、こちらの記事 「【保存版】仕事や結婚式で使えるネクタイの結び方10選!」 を参考にしてください。
【参考】就活用ネクタイについて詳しくはこちらをチェック!
靴・ソックス
リクルートスーツに合わせる革靴は、ドレスシューズのなかでもフォーマル度の高いタイプを選ぶのが原則です。カラーは「黒」、仕様は「内羽根式」の「ストレートチップ」か「プレーントゥ」を選ぶのが一般的です。合わせるソックスは、靴かスーツを色を合わせるのが基本。靴が黒なので、靴下も黒を揃えておけば問題ありません。
鞄・ベルト
就職活動では紙の資料をもらったり提出したりする可能性もあるので、それらを入れて持ち運べるバッグも必需品です。靴と同じ「ブラックレザー」の「ブリーフバッグ」があると理想的ですが、同じ黒ならシンプルなビジネスバッグでも問題はありません。ベルトも靴と同じ「ブラックレザー」を選ぶのが基本ルール。スムースレザーにシンプルなバックルを組み合わせた上品で控えめなデザインのベルトを選ぶようにしましょう。
女性編
ブラウス
女性の場合、リクルートスーツに合わせるブラウスは主に2タイプあります。どちらのタイプでも「白の無地」が基本です。ひとつ目のタイプは「シャツカラー」。男性の定番であるレギュラーカラーのシャツと同じデザインですが、女性はボタンをすべて留めるのが原則です。もうひとつのタイプは「スキッパーカラー」。いちばん上のボタンがなく、首元を開いて襟先をジャケットの外に出して着るデザインです。人気があるのはスキッパーカラー。首元がスッキリして首が長く見える効果や、白い襟が顔を明るく照らす効果などが期待できます。アパレル、美容、ブライダルといったあまり堅くない業界の企業を受ける場合は、シンプルなカットソー類をインナーとして使っても悪目立ちはしません。
靴
リクルートスーツに合わせる靴は「レザー製のパンプス」が基本。そのなかでも装飾的な要素が少なく、つま先が隠れるタイプを選ぶようにしましょう。色はスーツと合わせるのが基本ですが、スーツが何色でも「ブラック」のパンプスなら足元に落ち着きを加味できます。ヒールは高すぎない3〜5cm程度が目安。移動が多く歩き回る必要がある日は、かかとパッドやインソール、フットカバーなどで事前に対策を講じるのがおすすめです。
ストッキング
リクルートスーツにはソックスではなく「ストッキング」を合わせるのが一般的。控えめなカラーで適度な厚さがあり、柄のないシンプルなタイプを選ぶのが一般的です。
鞄
バッグは「ブラック」が原則。スーツが同色なら自然となじみ、明るいスーツなら印象を引き締めてくれます。ハンドルが長めで肩掛けできるブリーフバッグやトートバッグが主流です。リクルートスーツに合わせる他のアイテムと同じく、シンプルで主張の少ないデザインが基本です。
まとめ
リクルートスーツは「社会人としてのマナーが守れること」を示し、入りたい会社に採用されるためのスーツを選ぶことが最優先です。最近は機能的なスーツも増えているため、さり気なくストレスを低減することも可能ですが、どんなスーツにするか迷うくらいなら、少し堅めのフォーマルなタイプを選ぶのがおすすめ。そのほうが減点されるリスクは抑えられるからです。スーツ姿で社会人としての常識があることを伝えつつ、個性や強みは試験や面接などでアピールするのが最善策です。
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