スタンダードな結び方4種類とワンランク上の結び方7種類を紹介
ビジネススタイルがカジュアル化した上にテレワークも浸透し、ネクタイを使う機会が減っている人も多いようですが、だからこそネクタイがきちんと結べるだけで一目置かれることも。実は、普段からネクタイをしている人でもきちんと結べている人はそう多くありません。そのため、ベーシックな結び方を美しく仕上げられるだけでも差がつけられます。ただし、ネクタイの結び方は意外とバリエーションが豊富。シーンにふさわしい結び方、少し変わった結び方までマスターできれば、さらなる差別化が図れますし、おしゃれがいっそう楽しめるようになります。そこで今回は、スタンダードな結び方からワンランク上の結び方まで11種類を紹介。ネクタイの選び方まで解説します。この機会にネクタイの使い方を覚えて、存分に使い倒しましょう!
初心者向けビジネスで使えるネクタイの結び方
まずはビジネスシーンで使えるスタンダードな結び方を4つ解説します。汎用性の高い「プレーンノット」と「セミウィンザーノット」さえ覚えておけば、ほとんどのコーディネートに対応可能。その2種類だけは必修科目です。どの結び方にするかはシャツやジャケットとのバランスを考えるのが原則ですが、時流にも左右されるのでトレンドは適時チェックしましょう。
プレーンノット
その名の通り、「プレーンノット」はもっとも平易で基本的な結び方です。結び目が小さめでレギュラカラーのシャツと好相性。シーンを選ばず、装飾的な要素を省くべきお通夜やお葬式でも使えます。また、ベーシックな結び方なので就職活動にも最適です。大剣にディンプル(くぼみ)を入れると、こなれた印象になるのでビジネスシーンではおすすめです。ただし、ディンプルは装飾的な意味合いが強く、お葬式などではNGなので注意しましょう。「プレーンノット」の結び方は以下の通り。
①大剣(幅が広いほうの先端)を長めにして小剣(幅が狭いほうの先端)の上に重ねる
②大剣を小剣に1周半くらい巻きつけ、小剣の裏側にもっていく
③首元にできたループに大剣を下から上に通す
④正面にある(巻きつけてできた)ループに大剣を上から下に通す
⑤大剣を下に引っ張りながら結び目の形を整えたら完成。小剣を下に引っ張ると首回りのループが締まって結び目の高さが調整できる
こなれ感を演出する上質なウールタイ
ウインザーノット
結び目が正三角形に近い形状になるのが「ウィンザーノット」の特徴です。定番的な結び方のなかでもっとも結び目が大きく、襟先が開いたワイドカラーやホリゾンタルカラーなどのシャツと相性が抜群です。また、襟が大きいシャツやラペルがワイドなジャケットに合わせても好バランスです。結び目が大きくて存在感があり、自分を印象づけたいときにも効果的だと言われています。結び方は以下の通り。
①「プレーンノット」と同じように、大剣を長めにして小剣の上に重ねる。ただし、大剣はさらに長めに
②首元にできたループの片側に大剣を巻きつける
③大剣を小剣の裏側から通し、首元のループの反対側に巻きつける
④大剣を小剣に巻きつけ、小剣の裏側から首元のループへ下から上に通す
⑤正面のループに大剣を上から下に通し、形を整えたら完成
カノニコ社のスーツ生地で仕立てた上質なウールタイ
ダブルノット
ベースは「プレーンノット」ですが、巻きつける回数が増えて2周なので「ダブルノット」。結び目がやや縦長になり、少しボリュームが出るのが特徴です。「プレーンノット」では結び目が小さいすぎるときに、「ダブルノット」でアレンジできるように覚えておくと便利。また、2周巻くので厚手の生地や幅が広いネクタイには不向きなので注意してください。「ダブルノット」の結び方は以下の通り。
①基本は「プレーンノット」と同じ。大剣を長めにして小剣の上に重ねる
②大剣を小剣に2周半ほど巻きつけ、小剣の裏側にもっていく
③首元にできたループに大剣を下から上に通す
④正面にある外側のループに大剣を上から下に通す
⑤大剣を下に引っ張りながら結び目の形を整えたら完成
セミウインザーノット
「ウィンザーノット」に近い形状ですが、少しボリュームを抑えられる結び方が「セミウィンザーノット」。バランスが良いため、オールマイティに使えて重宝します。セミワイドカラーのシャツと組み合わせたバランスは最適。「プレーンノット」とともに最初にマスターしておきたい結び方なので、ここでしっかり覚えてしまいましょう。「セミウィンザーノット」の結び方は以下の通り。
①基本的には「ウィンザーノット」のアレンジ版。大剣を長めにして小剣の上に重ねる
②首元にできたループの片側に大剣を巻きつける
③正面の小剣に大剣を3/4周ほど巻きつけ、小剣の裏側から首元のループへ下から上に通す
④正面のループに大剣を上から下に通す
⑤大剣を下に引っ張りながら結び目の形を整えたら完成
【参考】ネクタイ一覧はこちら
【参考】ネクタイを使ったコーディネートは?
【参考】WIND マガジン
結婚式・イベントにオススメの結び方
次に紹介するのは、上級者向きの結び方5種類。どれも、結婚式やパーティーなどのイベントにふさわしい華のある結び目が作れます。ビジネスシーンではNGだからこそ、普段とは違うイメージが演出できるのもポイント。華やかな結び方にフォーカスしてもらうために、無地のシンプルなネクタイを選ぶのが原則です。
トリニティノット
「3つの部分」「3重」「三位一体」といった意味を持つ「トリニティ」がついたネーミングの通り、結び目が3つにわかれる結び方。立体的な結び目が華やかかつ意外性のある首元を演出してくれるので、パーティーシーンでも確実に目立ちます。「トリニティノット」の結び方は以下の通り。
①途中までは「ウィンザーノット」と同じ要領。ただし、大剣ではなく小剣を長めにし、大剣の上に重ねる
②首元にできたループの片側に小剣を巻きつける
③小剣を大剣の裏側から通し、首元のループの反対側に巻きつける
④小剣を大剣に巻きつけ、大剣の裏側から首元のループへ下から上に通す
⑤小剣を大剣の裏側から通し、このときにできたループへ下から上に通す
⑥結び目の形を整え、大剣を襟の裏に隠したら完成。結び目が均等にわかれているほど美しい
エルドリッジノット
2007年にシステム管理者のジェフリー・エルドリッジ氏によって考案され、2008年頃から広まったと言われている新しい結び方が「エルドリッジノット」。結び目に段が入っているのが特徴で、編み込んだようにも見える立体感が華やかでパーティー向きです。かなり複雑に見えますが、いったん覚えてしまえばそう難しくはないのでチャレンジしてみてください。「エルドリッジノット」の結び方は以下の通り。
①小剣を長めにして大剣の上に重ねる
②小剣を大剣に1周ほど巻きつけ、表側から首元のループに通す
③小剣を大剣に1周ほど巻きつけ、裏側から首元のループに通す
④小剣を大剣の裏側から通し、このときにできたループへ下から上に通す
⑤さらに首元のループに表側から通す
⑥首元のループの片側に1周ほど巻きつけ、再びループに表側から通す
⑦反対側のループにも小剣を巻きつけ、このときにできたループに下から通す
⑧結び目の形を整え、小剣を襟の裏に隠したら完成
クロスノット
「クロスノット」は一見「プレーンノット」のようにも見えますが、結び目に斜めのラインが入っている意外性が魅力。華やかなだけでなく遊び心も感じさせる結び方で、結婚式の二次会をはじめとするカジュアルなパーティーに適しています。「プレーンノット」のように結び目をコンパクトにするのがポイントなので、ボリュームが出ない薄手のネクタイを選ぶのがおすすめです。「クロスノット」の結び方は以下の通り。
①小剣を長めにして大剣の上に重ねる
②小剣を大剣に2周弱ほど巻きつける
③首のループに小剣を正面から通し、大剣の内側にあるループに小剣を上から下に通す
⑤小剣が大剣の裏側にくるようにヒネりつつ形を整えたら完成
ノンノット
ウィンザーノットに近い形状の結び目ですが、裏返したような見た目になるのが「ノンノット」の特徴。「クロスノット」と同じく少しトリッキーな遊び心が感じられ、カジュアルなパーティーシーンに最適です。結び方がシンプルだからこそ結び目が貧弱になりがちなので、厚めのネクタイを選びつつフワッと結ぶのがコツです。「ノンノット」の結び方は以下の通り。
①小剣を長めにして大剣の上に重ねる
②小剣を首元のループに裏側から通して巻きつける
③大剣の裏側を通して首元のループの反対側に巻きつけながら、このときにできるループに通す
④小剣が大剣の裏側にある状態で結び目などを整えたら完成
ブラインドフォールドノット
名前の通り、結び目(ノット)を覆って見えないようにする結び方が「ブラインドフォールノット」。アスコットタイやスカーフを着けているような外見になるため、フォーマルなムードが演出できます。また、当然ではありますが、シルバーなどのフォーマル感があるネクタイを選ぶといっそうフォーマル度がアップします。結び方が簡単ですぐに覚えられるので、レパートリーに入れておいて損はありません。「ブラインドフォールノット」の結び方は以下の通り。
①「プレーンノット」を作ってから隠すのが手順。大剣を長めにして小剣の上に重ねる
②大剣を小剣に1周半くらい巻きつけ、小剣の裏側にもっていく
③首元にできたループに大剣を下から上に通す
④正面にある(巻きつけてできた)ループに大剣を上から下に通す
⑤大剣を下に引っ張りながらきっちり結ぶ
⑥大剣を下から上に引き上げ、大剣と小剣の上に重ねる
⑦結び目をきちんと隠しながら形や長さを整えたら完成
その他のネクタイの結び方
ネクタイの結び方はまだまだ数多くあります。そのなかでも、可能なら覚えておきたい2つの結び方を紹介しましょう。少しおさらいすると、最初に覚えるべきなのは「プレーンノット」と「セミウィンザーノット」です。そのあとにビジネス向きの残り2種類、さらに上級者向きの5種類をマスターして、それでも余裕があったらここの2種類を覚える程度の優先度で問題ありません。
スモールノット
ネーミングそのままに、結び目が小さく仕上がるのが「スモールノット」の大きな特徴。「オリエンタルノット」や「スクールボーイノット」といった別名で呼ばれることもありますが、詳細は諸説あります。いずれにしても完成形は「プレーンノット」に近い外見。結び目がコンパクトにまとまるので、襟の開きが狭いレギュラカラーのシャツと相性抜群です。生地にボリュームのあるニットタイなどを結ぶときにも重宝。ネクタイが短くても結べるという利点もあります。「スモールノット」の結び方は以下の通り。
①大剣を180度ねじって裏面を表にしてから小剣の下に通す
②大剣を小剣に1周ほど巻きつけ、小剣の裏側にもっていく
③首元にできたループに大剣を下から上に通す
④正面にある(巻きつけてできた)ループに大剣を上から下に通す
⑤大剣を下に引っ張りながら結び目の形を整えたら完成。ネクタイをねじらずに、最初から裏返しにして結ぶ方法も
チューリップノット
結び目がチューリップの花のようで、華やかな首元が演出できるのが「チューリップノット」。あまり一般的ではないからこそ目を引き、カジュアルなパーティーで個性を主張するののにぴったりです。結び目を際立たせるためには無地のネクタイを選ぶのが有効。大剣と小剣で色柄の異なるネクタイを選べば、結び目を花びらのように強調することもできます。「チューリップノット」の結び方は以下の通り。
①途中までは「ノンノット」と一緒。小剣を長めにして大剣の上に重ねる
②小剣を首元のループに裏側から通して巻きつける
③大剣の裏側を通して首元のループの反対側に巻きつける
④小剣を大剣に半周くらい巻きつけ、首元のループに裏側から通す
⑤さらに大剣の裏側を通し、このときにできたループに下から通す
⑥結び目の形を整え、小剣を襟の裏に隠したら完成
ネクタイ選びのコツ
最後に、ネクタイの選び方も簡潔に補足しましょう。ここで解説する基本的な3要素を押さえるだけで、ネクタイを使ったコーディネートが築きやすくなり、周囲から評価されやすくなります。まずは定番的なネクタイを揃え、結び方のバリエーションとともにネクタイの種類も増やしていくのがおすすめ!
ネクタイの幅
ネクタイの幅は大剣のもっとも広い部分を差し、7.5cm程度がスタンダード。ビジネスシーンでは7〜8cmくらいが最適と言われ、細めのナロータイはモダンな印象を与え、太めのワイドタイはクラシックなイメージになります。ただし、ビジネススーツの基本ルールではネクタイ単独で幅を決めるのではなく、ジャケットのラペル幅とネクタイの幅を揃えるのが原則です。ネクタイの幅はトレンドとも連動していますが、基本ルールを遵守するだけでも問題ありません。また、細めのネクタイを締める場合は結び目も小さくしたほうがバランスが整います。
ネクタイの長さ
ネクタイの長さは140cm程度が標準。身長との兼ね合いが重要で、身長が170cmならネクタイは140cmが適正と言われています。ちなみに、市販のネクタイは身長が高い人でも結べるように少し長めに設定しているのが一般的です。また、ネクタイは結び方によって仕上がりの長さが変わります。結び方が複雑になるほど仕上がりは短くなるので、長めのネクタイを用意するのがベターです。ネクタイを締めた状態での適正な長さの目安は、大剣の先がベルトの中央に来る程度。と言っても、実際に結ぶまでは確認できません。また、ジャケットやベストでネクタイの長さは隠れることが大半です。ネクタイの長さに神経質になる必要はありませんが、目安を知っておけば判断基準のひとつになります。ちなみに 〈SOLVE(ソルブ)〉のネクタイ は長さ145cmで汎用性が抜群です。
ネクタイの色柄
ビジネスシーンでは、ネクタイの色はスーツかシャツと揃えるのが基本。色を統一せずに、赤系のネクタイなどをアクセントとして効かせる着こなしもありますが、悪目立ちしない定番カラーを選ぶのが鉄則です。柄も無地か定番がおすすめ。レジメンタルストライプ、小紋、ドットが定番で、千鳥格子やペイズリーもなじみのある柄です。また、お葬式などの喪服にはマットな黒無地のネクタイを合わせるのが原則。装飾的な要素はできる限り省くのが基本ルールです。結婚式などで礼服やブラックスーツを着用する場合は、シルバーかホワイトのネクタイ。主役でない限り、目立ちすぎない無地やシンプルな柄を選びましょう。最近は、少し華のあるペールトーンのピンクなどを選ぶ人も増えています。カジュアルなパーティーではネクタイの自由度も高め。だからと言って個性の強いネクタイを選ぶのではなく、結び方でさり気なく差別化するのがスマートでおすすめです。
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