スーツ(ジャケット)のポケットの主な種類
スーツを初めて着た時に悩んだことはありませんか? 「ポケットのフタは出しておいていいのか、入れておくべきなのか…」。結論を先に言ってしまうと、ポケットのフタはシーンに合わせて出し入れするのが正解です。詳しく解説する前に、まずはポケットの種類やフタの意味についてもレクチャーします。スーツのポケットに関して押さえるべきポイントを理解しておくと、今後も悩まずに済むはずです!
腰ポケット
「フタを出すか入れるか」と悩んだのは、腰の両サイドにセットされたポケットではないでしょうか? フタのことを「フラップ」と呼び、腰ポケットの主流はフタ付きの「フラップポケット」です。ただし、フタのない「ノーフラップポケット」もあります。また、ポケットの開口部だけでなく全体が外側に付いているのは「アウトポケット(パッチポケット)」と呼び、比較的なカジュアルな仕様です。そうしたディテールの組み合わせにより、スーツ(ジャケット)のポケットはいくつかの種類に分かれます。ちなみに、腰ポケットの上に配置された小ぶりなポケットは「チェンジポケット」。英国調のクラシックな雰囲気を振りまくのが特徴です。
胸ポケット
「腰ポケット」が両サイドに付属しているのに対し、「胸ポケット」は左胸のみに設置されているのがスーツの基本。フラップのないポケットが一般的です。開口部のパーツの形状が直線的なのは「箱ポケット」、船底のようにカーブしているのは「バルカポケット」と呼ばれています。ビジネススーツのジャケットには必ず胸ポケットが付属していますが、ポケットチーフを入れるのが唯一の役割だと思ってください。
内ポケット
ジャケットの内側にあるポケットはすべて「内ポケット」です。表側のポケットは装飾的な意味が強いのに対し、裏側のポケットは何かを収納するという実用的な役割を担っています。ただし、荷物を入れすぎるとジャケットのシルエットが崩れてしまうため、財布やスマートフォンといった必要最低限の小物だけを収納するようにしましょう。
スーツのポケットのマナー
すでに軽く説明していますが、スーツ表面のポケットはカジュアルな洋服のポケットとは別物と考えましょう。なぜなら、装飾的な要素が強いからです。それが理解できれば、スーツのポケットに関するマナーもすぐに納得できるでしょう。
フラップはしまう? 出す?
ポケットのフラップ(フタ)は、雨水やホコリなどが内部に入ってしまうのを防ぐのが役割。屋外で必要な仕様です。また、ポケットの存在感が薄いほどスーツはエレガントな印象になります。そのため、屋内ではフラップをしまうのが基本マナー。つまり、屋外ではフラップを出し、屋内ではしまうのが原則です。そうは言っても、外出や帰社の度に出し入れするのは億劫ですし、出し入れを忘れてしまっても仕方のないことです。最低限のマナーとして、左右のフラップの状態を揃えておくことだけは厳守してください。
腰ポケットに物は入れない?
胸ポケットと同じく、ジャケットの外側にあるポケットはすべて装飾的な仕様だと思ってください。ポケットなので物を入れたくなる気持ちもわかりますが、腰ポケットに物をいれるとジャケットのシルエットが左右非対称になったり崩れたりします。そのため、何も入れないのが原則です。ちなみに、腰ポケットの上に設置されたチェンジポケットの「チェンジ」は「お釣り」や「小銭」といった意味ですが、その「チェンジポケット」さえも今では装飾用。何も入れないようにしましょう。
スラックスのポケットにも大きな荷物は入れない?
ビジネスシーンでのスーツスタイルはエレガントに着こなすのが原則。スラックスのポケットだとしても、大きな物を入れたりたくさんの荷物を入れたりすると、シルエットが崩れてだらしない印象になってしまうので、物を入れ過ぎないようにするのが基本です。つまり、スラックスのポケットにもハンカチなどの小物を必要最低限だけ入れるようにしましょう。
その他のスーツの基本的なマナー
スーツのポケットにまつわる基本マナーを紹介したついでに、覚えておきたい他のマナーやルールについても解説しておきます。他の記事で触れたマナーもありますが、繰り返しインプットすることで大人の教養としてしっかり身につけてください。
ボタンは全部閉めない
一般的なシングルスーツのジャケットは、いちばん下のボタンは留めないのが原則。「アンボタンマナー」とも呼ばれています。詳しくは、こちらの記事「スーツ(ジャケット)のボタンはすべて留める? 種類別に留め方のルールを紹介」を参考にしてください。
【参考】ポケットのマナーについて詳しくはこちら
スーツに半袖シャツは合わせない
スーツスタイルでは、ジャケットのインナーとして半袖シャツを着るのはNGです。これは、スーツの正しい着こなし方を考えればわかるでしょう。ジャケットの袖口からシャツが少しのぞくバランスが原則ですが、半袖のシャツではそれが不可能です。そんなルールに加え、実用面から考えてても半袖のシャツは避けるべき。インナーが半袖だと腕の露出した部分がジャケットの裏地に触れ、汗や汚れが付着してしまいます。また、半袖のシャツは袖口が広めになっているのが一般的。その上にジャケットを重ねると、動きにくくなったり、シャツの袖がシワくちゃになったりします。
【参考】半袖シャツの着こなしについて詳しくはこちら
ネクタイの長さは長すぎても短すぎてもいけない
ネクタイの長さは、結んだ時にいちばん長い大剣の先がベルトの中央あたりに来るのが適正です。ただし、ネクタイの長さは細かく調整ができず、結び方によって仕上がりが少し変わる程度。身長や結び方を考慮しながら好バランスな長さを目指す必要があります。とは言え、あまりにも神経質になる必要もありません。一般的なネクタイの長さは140cm程度で、平均的な身長ならそれを選んでおけば問題はありません。詳しくはこちらの記事「ネクタイってどの結び方がいいの? 初級編から上級編まで11タイプの結び方を解説」の後半部分もご参考に。
ベルトと靴の色を合わせる
スーツスタイルは、統一感を意識してエレガントにまとめることが大切。小物類の色や素材感はできる限り揃えるのが原則です。そのなかでも、ベルトと靴は目立ちやすいポイント。どちらもレザー製が定番なので、色味まで合わせて統一感を強調するようにしましょう。
スーツや靴はキレイに保つ
スーツスタイルをきちんと着こなしていても、ジャケットに変なシワがついていたり袖口が汚れていたりするだけで、だらしない印象やガサツな印象を与えてしまいます。また、革靴も意外と目につくポイントで、つま先が汚れているだけで清潔感を損なってしまいます。スーツや革靴のケアがしっかりできてこそ、コーディネートが完成すると心得ましょう。
まとめ
スーツのポケットやマナーに関する知識はインプットできたでしょうか? 基本ルールを把握した上で周囲を見渡すと、守れていない人が意外と多いことに気づくはずです。何が何でもにルールを厳守すべきとまでは言いませんが、スーツの基本マナーを守ることが「社会人としての教養を備えている」というメッセージになり、わかる人には伝わるものです。マナーやルールを守れる社会人のほうが信頼されるものではないでしょうか。
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