スーツに合うおすすめなコート7選
ビジネススーツに合わせるアウターは、スーツスタイルの品格を損なわないタイプを選ばなければなりません。ただし難しい話ではなく、定番的で落ち着きのあるコートを選べば良いだけです。とは言え、スーツに合う定番コートは何種類もあります。そこで今回は、スーツ向きの定番コートを7種類セレクトして紹介。各コートの特徴を簡潔に説明します。さらに、コート選びのポイント、コートにまつわるマナー、コートを上品に保つケア方法まで補足しましょう。
ステンカラーコート
スーツスタイルの定番コートとして日本で長く愛用されてきたのが「ステンカラーコート」です。ちなみに「ステンカラーコート」は和製英語で、「スタンドフォールカラーコート」、「バルコート」、「バルマカーンコート」などとも呼ばれています。主な仕様は、直線的な首元、フライフロント(比翼仕立て)、ラグランスリープ、ミドル丈。素材はもともとギャバジンで本来はライトなコートですが、最近は他の素材も多く保温性の高いタイプも増えています。全体としてシンプルな外見も特徴的。コーディネートを選ばずに使えるのが大きな魅力です。「ステンカラーコート」は胸の開きがないため、ボタンをすべて留めればスーツのVゾーンがほとんど隠せるという特徴も。ただし、ボタンを1つか2つ外して着用するのが一般的です。
チェスターコート
コートの中でもフォーマル度が高く、冠婚葬祭などでも使えるのが「チェスターコート」です。正式名称は「チェスターフィールドコート」で、19世紀にチェスター・フィールド伯爵が考案したコートが起源と言われています。主な特徴は、ノッチドカラー、シングル仕立て、胸の箱ポケット、両脇のフラップ付きポケット、ロング丈。テーラードジャケットをロング丈にしたようなデザインで、Vゾーン全体を見せることができるのが大きな魅力。その反面、首周りの保温性は乏しいため、気温に合わせてマフラーなどで補完するのがおすすめです。冠婚葬祭でも着用できるフォーマルなコートなので、黒やそれに近いダークトーンの「チェスターコート」は大人の必需品と言えます。
アルスターコート
チェスターコートに近いデザインの「アルスターコート」は、コート類の原型と言われています。主な特徴は、ダブルブレスト、大きめのラペル、ロング丈。細かい仕様ははさまざまで、他のコートに比べてバリエーションが豊富です。もともとは旅行用として生まれたコートで、ケープ、バックベルト、ハンドウォーマーポケットといった機能的なディテールを備えたタイプもあります。チェスターコートやポロコートなどと混同されていることも少なくありませんが、「アルスターコート」は大きなラペルとダブルブレストがクラシックなムードを感じさせるのがポイント。風格あるコートがほしい場合は「アルスターコート」を本命にしましょう。
トレンチコート
すっかりビジネスシーンの定番となっている「トレンチコート」ですが、出自はミリタリー。「トレンチ」は、歩兵が身を隠すための「塹壕(ざんごう)」を意味し、イギリス軍の防水コートとして誕生しました。主な特徴は、ストームフラップ、バックケープ、ショルダーループ(エポレット)、チンストラップ、ウエストベルト、ダブルブレスト、ロング丈など。素材はもともとギャバジンでしたが、今ではさまざまな素材を使ったタイプが登場しています。ギミックが詰め込まれているため、インナーがシンプルでもサマになるのが重宝される理由。本来はカジュアルなコートなので、オンだけでなくオフでも使うことの想定するののが賢い選び方です。
ピーコート
「ピーコート」もトレンチコートと同じく起源はミリタリー。イギリス海軍が着ていたコートが一般に広まったと言われています。艦上で使うことを想定したディテールが搭載されていて、風向きに合わせて左右どちらでも留められるダブルブレストは象徴的。大きな襟、ハンドウォーマーポケット、大きなフロントボタン、厚手のメルトン生地なども特徴的です。着丈は短めのミドル丈が定番。そのため、スーツ用として買う際はジャケットが隠れる丈感かどうかをしっかりチェックするようにしましょう。「ピーコート」も比較的カジュアルなコートなので、オフでも使い回せるタイプを選ぶのがおすすめです。
キルティングコート
名前からもわかる通り、キルティング生地を用いたのが「キルティングコート」。「キルティングジャケット」と呼ばれることも少なくありません。全面的にあしらわれたステッチによって印象が変わり、直線的なダイヤ型がビジネス用としては適しています。他の主な仕様は、シャツ型の襟、襟やトリミングに用いたコーデュロイ、短めのミドル丈など。キルティング以外は比較的シンプルなデザインが主流です。表地と裏地の間に中綿を入れてステッチで縫い付けているため、保温性に優れているのも長所。もともとは乗馬やハンティング用として生まれたコートです。スーツ用として定着していますが、カジュアル感が強いキルティングを使っていることに変わりはないので、その点を意識しつつあくまで防寒用として使うようにしましょう。
ダッフルコート
今回セレクトしたコートの中でもっともカジュアルなのが「ダッフルコート」です。もともとは厚手のメルトン生地を使った漁師のコートで、それをイギリス海軍が採用して一般にも広まりました。大きな特徴はフード。手袋をしたままでも着脱しやすいトグルボタンも独特で、カジュアルな印象が強くなっています。最近はスーツに合わせる人も増えていますが、スーツならではの品格やクールな印象が中和されるのは間違いありません。だからこそ、こなれた印象を演出したいときに重宝します。
スーツに合わせるコート選びのポイント
冒頭でも解説した通り、スーツ用のアウターは定番的で落ち着きのあるコートを選ぶのが原則です。ここではもう少し詳しく説明するために、「デザイン」「色」「サイズ感」という3つの項目ごとに選ぶ際のポイントを解説します。
デザイン
ビジネスシーンで使うコートはシンプルで大人っぽいデザインが大前提。品位を損なわないように定番的な仕様のコートから揃えるようにしましょう。また、スーツのジャケットを裾までしっかり覆える丈感も重要。ミドル〜ロング丈を選ぶのが鉄則です。ピーコート、キルティングコート、ダッフルコートは比較的カジュアルなコートなので、他のコートよりもカラーや素材感などで落ち着きを補完するように意識しましょう。
色
スーツ用のコートは、カラーも大人っぽくて落ち着きのあるダークトーンを選ぶのが原則。具体的には、ブラック、ダークネイビー、チャコールグレーなどが基本です。ダークカラーを選んでおけば、スーツの色との相性を気にする必要がないというメリットもあります。どうしても明るいトーンのコートを着たい場合は、ライトネイビー、ライトグレー、ベージュ、キャメルといった定番的な上品な色味を選ぶのがおすすめです。
サイズ感
エレガントなコートは細身のほうが良いと思うかもしれませんが、スーツ用はジャケットの上に重ねることも考慮する必要があります。その一方、トレンドだからといって大き過ぎるオーバーサイズを選ぶと、ルーズでダラしない印象になってしまいます。つまり、少しだけ大きめなサイズ感のコートを選ぶのが最適。多少ビッグシルエットでも、シンプルなデザイン、上質感のある生地、ダークなカラーといった要素があれば落ち着いて見えてスーツにマッチ。窮屈なコートは貧相な印象につながることもあるので、避けるようにしましょう。
外出先でのマナーも覚えておこう
商談相手やクライアントの職場など、ビジネスとしてどこかに訪問する際は、アウター類を脱ぐタイミングにも注意しましょう。原則として、オフィスの外や入居しているビルの前で脱ぐのがマナー。建物に入る前に脱ぐことで、コートの表面に付着したホコリやウイルスを持ち込まないという配慮が表せます。同じ理由で、脱いだコートは表地が内側になるように畳み、腕に掛けて持ち歩くのが基本。さらに帰りも同様で、外に出てからコートを着るのが基本マナーです。
スーツ用のコートはお手入れにも気を付けよう
スーツスタイルで使うコートは、スーツと同じくエレガントである必要があります。そのためには、日常的にケアをするのが効果的。ケアやメンテナンスの方法と、それぞれの主なポイントを解説します。
厚みのあるハンガーに吊るす
コートを脱いでどこかに置いたままにしておくと、目立つようなシワが入ってしまうことも。そればかりか、湿気が籠もって臭いや汚れが定着してしまう原因にもなります。それらを防ぐためには、脱いだらすぐハンガーに掛けるのが効果的。肩周りなどに変なシワが寄らないように、厚みのあるハンガーを使うのが理想的です。玄関の近くにコート用のハンガーラックなどが置けると、帰宅してすぐにコートを掛けるのが習慣化できます。
ブラッシングをする
ウールやカシミヤなどを使った毛羽感のあるコートは、ブラッシングすることで上品な表情がキープできます。その理由は2つあって、1つは付着した汚れが取れるから。もう1つは、毛玉の発生が防げるからです。生地が傷まないように気をつけながら、優しいタッチで毛並みを整えるようにブラッシングしましょう。
陰干しして湿気を飛ばす
コートは防風性や保温性が高いからこそ、体から出た汗や湿気を内部に溜め込んでしまうこともあります。水分を溜め込んだままで収納してしまうと、雑菌やカビなどが増殖する原因になると思ってください。内部の水分を飛ばすためには、風通しの良い場所で陰干しすればOK。1日ほど陰干ししてからクローゼットにしまうようにしましょう。
アイロンのスチームを当てる
スーツ用の上質なコートは洗濯機で洗えないものが大半。臭いやシワなどを取るためには、アイロンなどでスチームを当てるのが有効です。スチームはハンガーに吊るしたままで当てられるので、慣れれば意外と簡単。シワがなくなるだけでくたびれた印象がなくなり、エレガントな雰囲気が復活します。最近は衣類スチーマーの機能も向上していますので、継続的に使うなら専用のスチーマーを活用するのもおすすめです。
消臭スプレーをかける
臭い対策としては、消臭スプレーを使うのも有効。除菌や抗菌効果のあるタイプを選べば、雑菌やウイルスの増殖も抑えることができます。ただし、アルコール系の消臭スプレーは刺激が強く、生地やパーツ、コーティングなどにダメージを与えることもあるので注意しましょう。最近はノンアルコールの刺激が弱いタイプも増えていますので、最適な消臭スプレーを探してみてください。
まとめ
スーツスタイルはコートまで揃えてこそワードローブが完成します。最初の1着は、フォーマルな場でも使えるチェスターコートから揃えるのが合理的。その後に好きなコートを追加していくのがおすすめです。たくさんのコートを持っている必要はありませんが、ケアやメンテナンスのことまで考えると、2〜3着をローテーションできるのがベター。スーツの色味やVゾーンの色使いに合わせてコートを選ぶだけでなく、気分や天候などでも使い分けられたら完璧です。
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