2024/11/14

気温15度のメンズファッションを完全解説！おすすめアイテムやコーデ例を紹介

企画：SOLVE編集部文章：平格彦(AllAbout「メンズファッション」ガイド／編集者／ライター)

気温15度におけるメンズファッションの特徴と基本

ビジネススーツに合うセーターの選び方

気象庁のデータを見ると、日中の気温が15度くらいになる時期は、東京・大阪・福岡なら3月頃と11月頃、北海道の札幌なら10月頃と5月頃となります。いずれも朝晩と昼間の寒暖差が大きい時期でもあるため、温度調整に対応しやすいコーディネートを心掛けるのがおすすめです。コーディネートの基本的なポイントを3つ解説しますので、しっかり押さえておきましょう。

春秋の変わり目を意識したスタイリング

気温が15度くらいの時期は、冬から春、夏から秋という「季節の変わり目」のタイミングでもあります。コーディネートにおいて季節感を演出するのはおしゃれ度を高める重要なポイントなので、少し先取りするくらいの意識で新しい季節を打ち出すようにしてみてください。

例えば、冬から春へスイッチするタイミングなら、少し明るめのカラーを取り入れるようにしたり、薄手で滑らかな素材を効かせるのが定番的なテクニック。また、夏から秋への移行期間なら、ダークで温かみのある色を取り入れるようにしたり、毛羽感があって保温性の高い生地を活用したりするのがスタンダードな着こなし術です。いずれにしても、季節の変わり目を意識してスタイリングを築くようにしましょう。

快適性と見た目のバランス

気温が15度前後になるシーズンは、1日の中で気温が激しく上下するのに加え、昼夜の寒暖差も大きい時期でもあります。そのため、気温の変化に対応できるコーディネートが必須です。

温度調整がしやすい服装さえ築けていれば快適には過ごせるようになりますが、それがおしゃれに映るかどうかはまた別の話。季節感を少し先取りしつつ、温度調整がしやすいコーディネートに仕上げると、見た目と快適性の両立がしやすくなります。見た目をおしゃれに仕上げる具体的なテクニックや実例は追って解説します！

レイヤリングの活用

重ね着のことをアパレル業界では一般的に「レイヤード」と言います。しかし、アウトドアやミリタリーといった実用的な分野では、温度調整のための重ね着を「レイヤリング」と呼びます。とくに登山用のコーディネートでは、ベースレイヤー、ミドルレイヤー、アウターレイヤーの3層で構成するレイヤリングが基本形。そんな重ね着を意識して機能的なレイヤードを築けば、温度調整がしやすくなります。

例えば、吸湿性や保温性などに優れる高機能な肌着、シャツやニットなどのインナー、ライトなアウターという3層のコーディネートなら、アウターを脱げばすぐに温度調整が可能です。また、肌着ではなく1枚でも成立するアイテムをベースレイヤーとして選べば、さらに調整できるようになります。「レイヤリング」を意識しながら、温度調整しやすい快適なコーディネートを目指してみてください。

気温15度に最適なメンズアイテム5選

基本的なポイントを押さえた後は、気温15度のスタイリングで使用するのに適したアイテムを紹介します。必ずこの5点でなければいけないわけではありませんが、15度に最適なアイテムや、季節感のマッチするアイテムを選ぶことで、コーディネートの快適性やおしゃれ度は確実にアップします!!

軽量ジャケットやブルゾン

最高気温が15度になるような日は、肌寒さも感じるくらいの体感温度です。そんな時はアウターを着用するのが基本。ただし、冬用のコートやダウンジャケットでは保温性がトゥーマッチになってしまいます。そこで、軽めのアウターをはおるのが最適解です。

キレイめに仕上げるなら、テーラード型のジャケットや薄手のコートを選ぶのがおすすめ。少しカジュアルに着崩したいなら、ミリタリージャケット、マウンテンパーカー、カバーオールなどが適しています。また、アクティブな雰囲気を演出したいなら、丈が短いブルゾンが効果的。スイングトップやGジャンなどを活用すると、軽快なムードが打ち出せます。

長袖シャツ

気温が15度くらいの時期は、長袖のシャツが着回せると合理的です。襟付きトップスならではの品の良さがあるのはもちろん、ライトなアウター感覚でコーディネートの主役にしたり、インナーとしてスタイリングに組み込んだりと、幅広く活用できます。

最低気温が15度くらいの日は、通気性が高く適度にカジュアルでトラッド感もあるオックスフォードシャツなどがおすすめ。最高気温が15度くらいの人は少し肌寒さも感じるので、毛羽感があって見た目も着心地も適度に温かいフランネルシャツ（ネルシャツ）などが持ってこいです。

薄手のニットやカーディガン

大人っぽいムードをキープしながら適度な保温性を確保したい時は、薄手のニットウェアがあると便利です。シャツと同じく、主役としてもインナーとしても着回せて幅広く活躍してくれます。定番的なセーターやカーディガンはワードローブに常備しておくようにしましょう。

保温性のレベルに関しては素材を目安にするのが原則です。最低気温が15度に近い日は、通気性の良いコットン素材などを使ったニットウェアが適任。最高気温が15度に近い日は、温かいウール素材などを使ったニットウェアを選ぶのがセオリーです。さらに保温性を高めたい場合は、厚手のニット生地を選ぶよりもタートルネックを選ぶのがおすすめ。着膨れすることなく、首周りの保温性と防風性が高められます。

チノパンツやジーンズ

夏や冬は通気性や保温性といった機能面を重視してパンツ選びがちすが、気温15度くらいならフルレングスやアンクル丈のパンツをおしゃれ目線で選んでちょうど良い時期です。大人なコーディネートに幅広くマッチするチノパンツとジーンズを揃えておくと、着こなしのバリエーションが広がります。

王道のアイテムだけにデザインやシルエットの種類も豊富ですが、まずは着回しやすさを重視してシンプルなタイプから確保するのがおすすめ。シンプルな定番パンツは大人っぽいコーディネートのベースにもなってくれます。

その意味では、ダメージ加工のジーンズには手を出さないほうが無難。ラフすぎる印象や不潔なイメージを与えかねないからです。さらに、ダメージ部分が空気の通り穴となって保温性を損なうケースもあるので、最高気温が15度くらいの肌寒い日には適していません。

ローファーやスニーカー

季節感を演出するには足元も重要です。コーディネートの他の部分が気温15度にマッチしていても、足元がビーチサンダルだとミスマッチな印象ばかりが目についてしまいます。つまり、気温が15度前後の季節は、適度に温かみを感じさせるシューズが最適です。

決して難しい話ではなく、レザーシューズを選べばOK。オールマイティーに使えるローファーで問題ありません。また、スニーカーでもレザーをメインに使っているタイプならOK。スムースレザーだけでなく、スエードを使ったスニーカーも気温15度の時期にぴったりです。レザーブーツは少し保温性が高すぎる印象になりますが、ショート丈を選べば違和感なく履きこなせます。

気温15度に適したメンズコーディネート例4選

基本的なポイントと最適なアイテムがわかっても、コーディネートで失敗しては水の泡。そこで、コーディネートの実例を紹介しながら着こなしのコツを解説します。原則としては、気温15度に適したアイテムを選んでシンプルに着こなすだけなので、ここで紹介するサンプルを参考にしつつ実践してみてください！

ビジネスカジュアルスタイル

最近は職場のドレスコードのカジュアル化が進んでいますが、ジャケパンスタイルこそビジネスカジュアルの基本形です。正統派のジャケパンスタイルはシャツ＋テーラードジャケットの重ね着がベース。気温15度にも適しています。

最低気温が15度くらいの暖かめな日なら、Tシャツをはじめとする軽めのインナーが最適。そのコーディネートが完成したら、気温に合わせてインナーをニットに差し替えるアレンジなどで、温度調整しながら着回してみましょう。

休日のリラックススタイル

大人っぽさがありながらリラックス感もある休日のカジュアルスタイルを目指すなら、ニットウェアを活用するのがおすすめ。薄手のセーターにイージースラックスなどの上品なパンツを合わせれば、リラクシングでありながら見た目は落ち着いたムードのコーディネートが仕上がります。

最初の1枚としてイチ押しなのは、寒色系のセーター。爽快な印象で冬から春への季節の変わり目にマッチする上に、ニット生地自体に温かみがあるので夏から秋への移行期にも適しています。

アウトドアMIXのスマートカジュアル

気温が15度くらいの季節はいわゆる「過ごしやすい時期」。行楽のシーズンでもあります。登山などでは本格的なアウトドア仕様の服装にすべきですが、ちょっとしたアウトドアのレジャーなら「レイヤリング」を意識しながら温度調整がしやすいように仕上げるだけでも十分。さらに、都会でのバーベキューなどではその後の行動も考慮して、キレイめなカジュアルスタイルにまとめておきたいものです。

そんな時に活用したいのが、キレイめカジュアルスタイルに高機能なアウトドア仕様のアウターを合わせる着こなし。防水透湿性に優れる本格仕様のマウンテンパーカーでも、シンプルでスタイリッシュなデザインさえ選べばキレイめ装いに難なく馴染みます。

わかりやすい例で言えば、黒のマウンテンパーカーを選んで全身をモノトーンにまとめれば、大人っぽいカジュアルスタイルが完成！天候や気温の急激な変化やちょっとした雨にも対応できるので、屋外でのアクティビティーを楽しむ際は、高機能なアウトドア系アウターをMIXしてみてください。

デート向けスタイリッシュコーデ

行き先や内容によってそのデートに適した服装は異なりますが、ここでは少し都会的で大人なデートを想定しました。落ち着いて会話ができるレストランでのディナーも視野に入れると襟付きのトップスが必須。テーラードタイプのジャケットを羽織っておけば万全です。定番的なパンツを合わせても良いのですが、ここではセットアップのパンツを採用。カジュアル感のあるセットアップはビジカジスタイルで人気ですが、実は都会的なデートにも打ってつけです。

明るいトーンのベージュを選んで軽快感を演出しつつ、素足でローファーを履いているように見える足元で抜け感を加味しているのがポイント。オンとは異なるカジュアルなコーディネートにまとめています。インナーをTシャツにするかニットにするかによって、その日の気温に合ったコーディネートに仕上げましょう。

15度前後の気温変化に対応するテクニック

気温が15度の時期のコーディネートについて、基本的なポイントは解説しました。ここからはさらに、応用編ともいうべきポイントについてレクチャーします。まずは、気温変化へ対応するためのテクニックに関して。アウトドアなどで用いられる温度調整に対応する重ね着、レイヤリングについては基本ポイントとして紹介しましたが、さらなる具体策を見ていきましょう。

脱ぎ着しやすいアイテムを選ぶ

「気温15度におけるメンズファッションの特徴と基本」でも解説したように、重ね着（レイヤード、レイヤリング）を活用することで温度調整はしやすくなります。ただし、それだけでは万全ではありません。着脱しやすいアイテムを選んでこそ、すぐに気温や室温の変化に対応できるようになります。

着たり脱いだりしやすいポイントはいくつかありますが、もっともわかりやすいのはフロントがオープンであること。プルオーバーのアノラックパーカーではなくフロントが開くマウンテンパーカーを、セーターではなくカーディガンを選ぶことで、より着脱しやすいコーディネートになります。もちろん、それだけがアイテム選びの条件ではありませんが、気温の変化に対応しやすいという意味ではフロントがオープンになっているアイテムを選ぶと便利です。

朝晩の冷え込み対策をする

気温が15度くらいのタイミングは、季節が移り変わる時期でもあり、朝晩の寒暖差が大きい日も珍しくありません。昼間は暖かく感じても、帰宅時に肌寒くなるということもあると思ってください。その対策としては、ライトなアウターなどを持参するのがおすすめです。

ポケッタブルやパッカブルなど、畳みやすい仕様のアウターなら、バッグに入れて持ち運ぶのも簡単。取り出したらすぐに使えるように、シワになりにくいアウターを選んでおくのがおすすめです。出したりしまったりするのが面倒という場合は、セーターやカーディガン、ネルシャツなどを肩に掛けたり腰に巻いたりして、コーディネートの一部として常備する方法もあります。

素材の特性を活かしたコーディネートを組む

同じシャツでも素材や生地によって体感温度が大きく変わるというのは実体験でわかっているのではないでしょうか。使用するアイテムは同じでも、素材や生地の特性を理解しておくことで、その日の温度変化に合ったコーディネートが築けます。

最高気温が15度の日は、最低気温が10度を切る場合も珍しくなく、少し保温性の高い生地のアイテムを選ぶのが基本。毛羽のある生地は保温性が高く、ウールを使ったニット、コーデュロイ、フランネル、スエードなどがそれに該当します。

最低気温が15度の日は、最高気温が20度を超えることも多く、少し通気性の高い生地を選ぶのがセオリー。コットンを使ったニット、オックスフォード、からみ織りの生地、リネンを使った生地などがそれに当たります。

最近は保温性や通気性に優れる高機能な生地も増えていますので、そうした生地も含めてそれぞれの特性を活かし、快適なコーディネートを目指しましょう。

気温15度でのおしゃれな着こなしのポイント

よりおしゃれにコーディネートするための応用編とも言える着こなしもポイントも紹介しておきます。すでに解説した基本的なコーディネートのポイントは押さえつつ、おしゃれ度を高めるための具体的なテクニックを解説します！

カラーコーディネートの秘訣

季節感を演出するのに「色」は重要なファクターです。冬から春になるタイミングでは、春らしい明るめのカラーや爽やかな色味を取り入れるのが定番。夏から秋になるタイミングでは、秋を連想させる温かみのある色やダークなトーンで落ち着かせるのが基本です。

また、コーディネート全体としては色数を増やし過ぎないようにするのがポイント。色が多すぎると、チグハグした印象やガチャガチャした雰囲気になってしまうからです。色数を制限することでまとまったイメージを打ち出し、おしゃれでスタイリッシュなムードを演出しましょう。

とくに重ね着がベースとなる気温15度の時期は、外から見えるアイテムの数が多く、コーディネート全体の色数も増えがちです。一般的に目安とされる「3色以内」を意識してカラーリングを組み立ててみてください。

アウターの選び方と着こなし

たとえレイヤードしていても、アウターを着用するとそれがコーディネートの主役になり、アウターの印象が強くなります。逆に言えば、印象付けたいイメージのアウターを選ぶことで、コーディネート全体のイメージコントロールが可能です。

気温15度程度の時期にコーディネートを品良くまとめるなら、テーラードタイプのジャケットやトレンチコートを選ぶのが定番です。アクティブな雰囲気を打ち出したいなら、Gジャンやライダースジャケットといった丈が短いアウターを選ぶのが効果的。アウターがカジュアルな場合はインナーを襟付きのシャツやポロシャツにすると、大人っぽいバランスに調整できます。

小物でアクセントをつける方法

最高気温が15度くらいの日は肌寒く感じこともあり、保温性を補完するための小物が活躍する季節でもあります。具体的には、マフラー、ストール、ネックウォーマーといった巻き物が重宝する季節です。そうした小物の素材感や色味で季節感を演出すると、おしゃれな印象がアップします。

小物の存在感を強調するには、差し色として使うのが効果的。コーディネートになじませるのではなく、映える色を選ぶようにしましょう。キャップ、ハット、ニットキャップといった帽子類、サコッシュなどの小ぶりなバッグ類なども含め、小物類をアクセントとして活用してみてください。

シューズ選びのコツ

シューズはコーディネートの締めくくりともいうべき存在。定番カラーのシューズを選んでもまったく問題ありませんが、季節感を演出するパーツとしても活用できます。

3月頃の冬から春への移行期なら、爽やかさを感じさせるネイビーやベージュ、明るめなトーンのローファーやシューズを選ぶと効果的。10月頃の夏から秋への季節の変わり目なら、温かみのあるブラウンやバーガンディーを選ぶと季節感が上乗せできます。コーディネートを大人っぽく落ち着かせたい場合は、王道カラーのブラックを選びましょう。

気温15度のメンズファッションに関するよくある質問

気温15度に対応するコーディネートに関して聞かれることの多い質問をピックアップし、一挙に答えておきます。ここまでに解説してきた内容でも答えはわかるはずですが、改めて回答をまとめておきますので、不明な点は解消してしまってください。気温が15度の時期はコーディネートがしやすい時期でもありますので、おしゃれを存分に楽しんでください！

15度の気温でコートは必要？

最低気温が15度になるような時期は、朝晩は肌寒く感じるような体感値。そのため、ライトなコートが活躍してくれます。トレンチコートやステンカラーコート、薄手のチェスターコートなどが本命。コーディガン（コート丈のロングなカーディガン）や、コートアップ（アウターがコートのセットアップ）などを活用するのもおすすめです。

オフィスでの15度対応ファッションのポイントは？

職場でのコーディネートは、周囲に不快感を与えない清潔感や品格を意識するのがポイント。端的に言えば、品の良いキレイめのコーディネートを築くように心掛けましょう。そのため、気温が15度前後のコーディネートとしては、テーラードタイプのジャケットを活用するのがセオリーです

屋外とオフィス内では温度が異なる場合もありますので、温度調整がしやすい服装にしておくことも大切です。ビジネスカジュアルやオフィスカジュアルが許される職場なら、カーディガンを着用するのもおすすめ。フロントがフルオープンになるカーディガンは着脱がしやすく、見た目も上品なので活用しない手はありません。

15度の気温に適した素材選びのコツは？

少し保温性のある素材や生地を選ぶのがおすすめ。体が冷えて体調を崩してしまうような事態を避けられるからです。

保温性に優れる高機能なインナーやアイテムを選ぶのも効果的な手段ですが、定番的な生地でも十分な保温性を備えているものがたくさんあります。ウールを使ったニット生地、コーデュロイ、フランネル、スエードなどがその代表格。そうした生地には毛羽があり、見た目も着心地も温かいため、コーディネートに取り入れると秋らしい季節感や保温性が確保できます。

温かみのある生地は秋のイメージが強いかもしれませんが、明るいトーンや寒色系のカラーを選ぶと爽快な印象になり、保温性を確保しながら春先らしい季節感が演出できます。