ビジネススーツに合うセーターの選び方
着こなしの幅を広げる意味でも、防寒対策や温度調整の意味でも、スーツスタイルではセーターを活用するのがおすすめです。そこで今回は「ビジネススーツに合うセーター」をテーマに、コーディネートの実例も含めて詳しく解説します。まずは、セーターの選び方からレクチャーしましょう!
上質感ある生地にこだわる
ひとえにセーターといっても、生地感によって印象が大きく変わります。厚手でざっくりした生地は、カジュアルでラギッドなイメージに。反対に、薄手のなめらかな生地は、上質感があって上品なイメージになります。
当然ながら、スーツに合うのは後者。肌触りも良いので、「ハイゲージニット」と呼ばれる編み目が細かい薄手の生地を必須条件としてセーターを選ぶのがおすすめです。
ちなみに、ウール、カシミヤ、アクリルといった素材によって価格が大きく変わるので、素材は予算と相談しながら選びましょう。
スーツに合う色を選ぶ
セーターはカラーのバリエーションが豊富。とはいえ、スーツスタイルの品格を損なわない色を選ぶようにしましょう。
ビジネススタイルの定番カラーである「黒」「ネイビー」「グレー」を選ぶのが基本。「ブラウン」「ベージュ」「ボルドー」といった落ち着きあるカラーをさり気ないアクセントにしてもおしゃれです。色選びで迷ったら、スーツの同系色を選べばすんなり馴染んで落ち着いたムードにまとまります。
ちなみに、セーターは柄も豊富。伝統的な柄なら取り入れられますが、まずは品格を損ないにくい無地から着こなすのがおすすめです。
首元のデザインを考える
スーツにセーターを合わせる場合、セーターのネック部分が目立ちます。そのため、ネックデザインが重要となりますが、ビジネスシーンでは3つのタイプから選ぶのが基本です。
1つ目は「Vネック」。スーツのVゾーンと相性が良く、シャツ+ネクタイのコーディネートに合わせてもバランスが整いやすいので、スーツスタイルにもっともおすすめのネックデザインです。
2つ目は「クルーネック」。セーターではもっとも定番のネックデザインですが、シャツやネクタイと合わせた際に窮屈に見えてしまいがちという短所があります。
3つ目は「ハイネック」。タートルネックやモックネックを含めた高さのあるネックデザインは、他のデザインよりも上品な首周りになるのが魅力です。ただし、シャツやネクタイと合わせるのが難しく、Tシャツやカットソーの上に重ねることになります。タイドアップが難しいため、スーツではなくセットアップなどに合わせ、ビジネスカジュアルとして着こなすのがおすすめです。
スーツとのバランスを取る
どんなビジネススタイルであってもジャストサイズが原則ですが、セーターもジャストサイズを選ぶのがセオリー。とくにスーツに合わせる場合は、ジャケットの下にセーターを着用するため、スーツとのサイズ感のバランスが重要になります。
その一方、シャツの上にレイヤードする必要もあるため、タイトなら良いというわけではなく、ジャケットの下に着られる範囲で大きめを選ぶのがおすすめです。いずれにしても、すべてのアイテムをジャストサイズで揃えつつ、セーターは薄手のハイゲージニットを選ぶとコーディネートがしやすくなります。
メンテナンスを考慮する
ニット生地を使ったセーターはメンテナンスが欠かせないアイテムです。着用後は、毛玉を取ったり、毛並みを整えたり、湿気を取るために陰干ししたりする必要があります。また、手洗いやそれに近いコースを選んだ洗濯機で優しく洗うのが原則です。
そうしたケアは慣れてしまえばそう難しくはありませんが、最近は洗濯しやすいイージーケアなセーターも増えていますので、お手入れの手間まで考慮してセーターを選ぶと日常的に活用しやすくなります。
ビジネススーツに合うセーターのおすすめコーデ5選
スーツに合わせるべきセーターがわかったら、あとは手に入れてコーディネートするだけ。参考になるように、セーターのタイプ別に定番的なコーディネートを紹介しておきます。見ての通り、セーターを活用するだけでコーディネートのバリエーションが一気に広がります!
Vネックセーター
すでに解説した通り、Vネックセーターはタイドアップしたスーツスタイルと相性が抜群です。ベスト(ジレ)を重ねるような感覚でいつものスーツスタイルに組み込めば、コーディネートは完成。Vネックが深めのセーターを選ぶことで、いっそうバランスは整いやすくなります。
定番カラーのセーターを選べば難なくマッチしますが、少し色味のあるセーターをアクセントにするという手も。無地を選べばカジュアルになりすぎることもありません。
クルーネックセーター
クルーネックのセーターは、カットソー感覚で着こなすのが正解。ただし、カットソーよりも上質感があるため、落ち着きのあるビジネスカジュアルスタイルに仕上がります。
このコーディネート例のように、すべてのアイテムをモノトーンで揃えるといっそう落ち着いたムードに。クールでスタイリッシュなビジネスカジュアルが簡単に完成します。Vゾーンが物足りなく感じる時は、ポケットチーフをプラスして華やかなアクセントにするとバランスが整って問題解決!
タートルネックセーター
タートルネックのセーターは、シャツやネクタイの上に重ねることができません。その意味では、クルーネックと同じくカットソー感覚で着こなすのが基本です。ただし、ネックに高さがある分だけ上品なイメージを醸します。
とは言え、スーツにタートルネックのセーターを合わせると着崩した印象になるため、肌寒いシーズンのウォームビズなどとして活用するのがおすすめ。この実例では、スーツもセーターもネイビーで統一し、セーターを使っているとは思えないほどクールな印象にまとめています。
モックネックセーター
モックネックのセーターも人気が上昇しています。ちなみに「モックネック」とは、モックタートルネックの略で、タートルネックを模したデザインが起源。首元に高さがあるもののタートルネックやハイネックより低く、クルーネックよりは高いというネックデザインを指します。絶妙な高さがあるため、適度な保温性がありながら、首周りはすっきり。首元の肌に直接は触れないため、ジャケットが汚れにくいという特徴もあります。
ここで使用しているのは〈SOLVE(ソルブ)〉の1着で、ネックのフチにラインが入っているデザインが独特。レイヤードしているように見えるだけでなく、汚れを目立たなくしてくれる効果もあります。そのラインとスーツをグレーでリンクし、一体感を生み出しているのがスタイリングのポイント。スタイリッシュで都会的なコーディネートに仕上がっています。
カーディガン
一般的に、セーターはプルオーバーのニットトップスのことを指しますが、カーディガンをセーターに含めるという定義もあります。しかも、カーディガンはビジネススーツと好相性なので、カーディガンを使ったコーディネートの実例を紹介しておきましょう。
カーディガンをスーツに合わせる際は、ボタンを留めるのがセオリー。ただし、ボタンの開け具合によってネックの深さが調整できます。深さのあるVネックセーターと同じように着こなせるので、シャツやネクタイともマッチしやすいのです。また、ボタンがあることでベストのような面持ちに。ジャケットのボタンを留めなくてもダラしない印象にはなりません。
この実例では、白〜黒のモノトーンで全身をまとめてクールなムードも醸出しています。
ビジネススーツに合わせるセーターを着る適切な場面
セーターを活用することでスーツスタイルの温度調整やコーディネートの幅が広がりますが、少しカジュアルな印象になってしまう点は要注意。つまり、シーンを選んでセーターを活用する必要があります。基本的には、ビジネスカジュアルと同じフォーマル度(カジュアル度)だと考えていれば問題はありませんが、セーターが着用できるシーンを具体的に解説しておきます。
オフィスの日常業務
自社のオフィスから出ることのない日常業務では、ビジネスカジュアルやオフィスカジュアルが認められているケースが増えています。当然、スーツにセーターを合わせたコーディネートでも問題はありません。
外が寒くてもオフィス内は暖かい場合も珍しくないので、セーターを脱いで温度調整ができるように想定しておくと便利です。
ビジネスカジュアルデー
普段よりもカジュアルなコーディネートを推奨することで、職場に新鮮なムードを生み出し、コミュニケーションの促進などを図る「カジュアルデー」を設定している企業は少なくありません。その際のドレスコードはビジネスカジュアルになるため、クルーネックやタートルネックのセーターを活用してカジュアルダウンするのがおすすめです。
さらに着崩したい場合は、職場ではジャケットを脱いで過ごせるように想定してコーディネートを組み立てましょう!
外出先でのカジュアルミーティング
セーターを取り入れるコーディネートとはいえ、ベースはビジネススーツです。その意味では、カジュアルなミーティングなどでは問題ありません。社内はもちろん、社外の人とのミーティングでも、定例のカジュアルなミーティングなどであれば、着用可能な場合が大半です。
ただし、仕事相手の服装に合わせるというビジネス上のルールを守ることも大切。相手も少しカジュアルなコーディネートをしているようなら、セーターを存分に活用しましょう。
寒い季節の出張や旅行
薄手のセーターはかさ張らない割に高い保温性を備えています。その機能面を考えると、出張などで遠出する際にも便利です。
飛行機や新幹線などで移動する際は、乗り物の内外や屋内外などの寒暖差が意外と大きいため、セーターを使って温度調整がしやすいようにしておくのが賢い手段。訪問先でフォーマルな服装にする必要がある場合は、現地で必要な時にセーターを脱いでフォーマル度を高められるようにしておけば問題ありません。
クライアントとのカジュアルランチやディナー
公式な食事会でセーターを着るのは避けたほうがベターですが、カジュアルなランチやディナーではセーターを着用しても問題ないケースがほとんどです。とくに、すでに関係値が築けているクライアントが相手であれば、問題ありません。
レストランなどの店内の温度は実際に行ってみないとわかりませんし、席の位置などによって体感温度は変わるものですが、セーターを活用して温度調整ができるようにしておけば安心です。
おすすめアイテム
ビジネススーツに合うセーターに関してよくある質問
最後に、ビジネススーツとセーターを組み合わせるコーディネートに関してよく聞かれる疑問も紹介しておきます。セーターを着回せるようになるとかなり便利ですが、カジュアル感は増してしまうので、その点だけは理解して活用してください!
ビジネスセーターを避けるべきの場面は?
スーツにセーターを合わせても良い場面はすでに解説しましたが、それ以外のすべてシーンでNGというわけではありません。セーターを避けるべき場面も解説しておきましょう。
社内においては、経営層も参加するような重要度の高い会議やプレゼンテーションはセーターを避けてほいたぼうがベターです。
また、社外の仕事相手と会う重要な商談や交渉の場面でも、カジュアルな印象のあるセーターは着ないようにしましょう。
当然ながら、フォーマルな場面でも避けるのが基本で、公式行儀や式典などはセーターを着用せずフォーマル度の高いスーツスタイルでの臨むのがマナーです。
温かくておしゃれなセーター以外のアイテムは?
セーターは定番アイテムと言えるほど広まっているので、他のアイテムで少し差をつけたいという相談もよく受けます。「おすすめコーデ」の箇所でも解説しましたが、セーターにカーディガンを含むかどうかはさておき、カーディガンはかなり重宝します。
また、同じニットウェアの中では、ニットベスト(ニットジレ)も便利です。ジャケットに中に着た場合の外見は長袖のセーターとあまり変わらなくなりますがジャケットを脱いだ際の差別化にはなります。
最近は、ジャケットの中に薄手のインナーダウン(インナーダウンベスト)を着用する人も増えてきました。保温性には優れていますが、セーターやニットウェアよりもさらにカジュアルな印象になるため、着用する場面にいっそう気をつけながら、上手に活用しましょう。
【まとめ】スーツ×セーターでおしゃれに温度調整を
スーツに合わせるセーターの選び方や、具体的なコーディネートのイメージはつかめたでしょうか? セーターを合わせるとスーツスタイルとしてはややカジュアルになりますが、保温性もコーディネートもアレンジしやすくなるメリットが大きいので、シーンを吟味しながらセーターを活用するのがおすすめです。
〈SOLVE(ソルブ)〉もビジネス仕様のニットウェアが豊富で、セーター、カーディガン、ジレをラインナップ。色やデザインのバリエーションも揃っていますので、好みの1着を見つけてみてください!
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