短くても長くてもだらしない印象に…

ネクタイの長さにもマナーは存在する

スーツ自体はきちんと着こなせていても、ネクタイの長さが的確でないだけで、ダラしない印象になってしまいます。「スーツのルールを知らない人」＝「社会人としての常識を知らない人」とも思われかねません。ネクタイの長さまできちんと気遣えてこそ、スーツスタイルが完成すると心得ましょう。 最初に結論をおおまかにお伝えすると、ネクタイの長さは長すぎても短すぎてもNG。これから紹介する「長さの目安」や「調整方法」などを参考にしつつ、ネクタイの長さまで隙のないスーツスタイルを目指してください。

ネクタイの長さの目安とは？

ネクタイの長さにはわかりやすい目安があります。「ネクタイ自体の長さ」と「ネクタイ着用時の長さ」に分けて目安となるポイントを紹介しますので、自分に適した長さを見つけてください。

ネクタイ自体の長さ

ネクタイ自体の長さは「140cm」が主流です。これは日本人の平均的な体型に合わせた長さと言われていますので、平均的な体型であれば140cmを選んでおいて問題ないでしょう。ただし厳密に言うと、ネクタイ自体の適正な長さは「上半身の長さ」と「首の太さ」に左右されます。 身長別にネクタイの長さを解説している記事なども多いのですが、実際にネクタイを着けるのは上半身のみ。上半身が長いほどより長いネクタイが必要になります。身長が高くなるほど上半身も長くなる傾向にありますが、体全体よりも上半身の長さに合わせることが重要です。 さらに、ネクタイは首に巻くものなので、首の太さによって適した長さも変わります。首に巻くのは1周のみなので変動幅は大きくありませんが、影響を受けるのは確かです。最初に挙げた140cmのネクタイは、身長170cm程度の平均的な体型の人に合わせた設定。そこを基準にして自分の体型を比較すると、どれくらいの長さのネクタイが適正なのかが推測しやすくなります。

ネクタイ着用時の長さ

ネクタイを着用した際の長さの目安は「大剣がベルトに半分くらい掛かる程度」。念のため補足しておくと、「大剣」は「ネクタイの両端の太いほう」で、「小剣」は「細いほう」です。着用時の長さが多少ズレていても問題はありませんが、大剣が明らかにベルトからはみ出すほど長かったり、ベルトに届かないほど短かったりするのはNG。また、小剣は大剣に隠れて見えなくなるのが原則なので、ネクタイ自体の長さが適性であることも重要です。

ネクタイをぴったりの長さにするには

ネクタイを締めた際の長さは体型に左右されますが、結び方にも大きな影響を受けます。ぴったりな長さにするためのコツをまとめますので、参考にしてください。

ネクタイの縫い目で結ぶ際の長さを確認する

ネクタイを結ぶ前に重要なのが、「大剣と小剣の長さのバランス」をどうするか。それが仕上がった際のバランスに直結するからです。簡単に目星がつけられるなら何も問題はありませんが、それができる人はそう多くないでしょう。 そこで活用したいのが、ネクタイにある「ななめの切り替え」です。多くのネクタイには、ななめに切って縫い合わせた箇所があります。その部分でクロスさせるとちょうど良いバランスで結べるとも言われています。ただし実際は、結び方や他の条件によって仕上がりのバランスが変わるので、そう単純ではありません。 ただし、切り替え部分は目印として重宝します。もっともバランス良く仕上がった際に「切り替え部分がどこに来るようにネクタイを首に掛けたのか」を覚えておけば、再現するのは簡単です。切り替えがわかりにくい場合は、自分ならではの目印をネクタイの裏側などに付けてみてください。

結び方による長さを変化を計算する

ネクタイは結び方によって仕上がりの長さが変わります。ボリュームのある結び目ほど巻く付ける回数が多いので、垂れる部分が短くなるのです。垂れる部分の長さで見ると… プレーンノット ＞ セミウィンザーノット ＞ ウィンザーノット となります。プレーンノットとウィンザーノットでは、垂れる部分の長さが10cmほど変わるとも言われていますので、見た目にもわかるほどの違いです。 この事実から「結び方によってネクタイの長さが調整できる」とも言えますが、実際のところ結び方もスーツスタイルの印象を左右する大事な要素です。しかも、シャツの襟型やジャケットのデザイン、スーツのテイストなどとの相性も考える必要があるので、安易に結び方を変えるのは避けましょう。結び方をチョイスする余地がある場合に限り、結び方でネクタイの長さが微調整できるくらいに考えてください。 本来は、ネクタイ毎に結び方も決めておくのがベター。そうすることで、ブレることなく適正な長さでネクタイが着けられます。

まとめ

今回は「ネクタイの長さ」の目安と調整方法について解説しました。いくつかの要素が絡み合うので難しいところもありますが、自分の体型や着こなしにマッチする長さを模索してみてください。 最後に、応急処置としての調整方法も紹介しておきましょう。どうしてもネクタイが長くなってしまう場合は、大剣のみを適正な長さに調整し、長くなっている小剣をスラックスの中に入れて隠すという手があります。あくまで応急処置ですが、代わりのネクタイがない場合には有効です。

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