就活生のビジネスカジュアルとは?3つの基本を理解しよう
「リクルートスーツ」という言葉の印象が強いため、「就職活動の服装」=「スーツ」というイメージがあるかもしれません。しかし最近は、「ビジネスカジュアル」を指定する企業も増えています。それも当然で、ビジネスシーン全体のドレスコードがカジュアル化してるため、その傾向が就職活動にも反映されているのです。
そこで今回は、就活のためにビジネスカジュアルについて解説。まずはビジネスカジュアルの基本について説明しましょう!
清潔感を大切にする
ビジネスシーンでは、周囲に不快感を与えない「清潔感」が重要です。それは就職活動のシーンでも一緒。ましてや、就活では短い時間で判断されるため、清潔感があるかどうかの第一印象が大きな分岐点になると思ってください。
勘違いしがちですが、実際に清潔かどうかではなく、服装や身だしなみから清潔な印象を感じられるかどうかがポイントです。洗ったばかりのシャツでもシワが多かったり染みが残っていたりすると不潔な印象につながってしまうので、しっかりチェックするようにしましょう。清潔感のあるコーディネートで、学生や若者らしい爽やかさを演出するように心掛けるのがおすすめです。
シンプルなデザインを着用する
就職活動のビジネスカジュアルは、「正統派」を目指すのが大原則です。どうにかしてアピールしようと考えると、服装も派手にしたくなるかもしれませんが、服装だけで採用されることはほぼないと考えてください。
服装は、社会人としての「常識」や「マナー」をわきまえているかどうかを判断する試金石のようなもの。減点されることはあっても加点されることはないくらいに考えるのがおすすめです。その対策としては、シンプルなアイテムでコーディネートするのが基本。個性的なデザインや派手なアイテムは避けるようにしましょう。
体に合ったサイズを選ぶ
シンプルなアイテムばかりで構成した正統派のビジネスカジュアルがおしゃれに見えるかどうか、着こなせているように見えるかどうかは、サイズ感が大きなポイントです。つまり、自分の身体に合っている「ジャストサイズ」を選び、品良く着こなすのが正解になります。
大きいサイズはルーズでダラしない印象につながり、小さいサイズは窮屈で貧相な印象につながってしまいます。一方、ジャストサイズを選ぶと誠実で信頼できるイメージに。不要なシワも入らず見た目が上品になり、腕周りなどが動きやすくなるメリットもあります。
もしも既製品でちょうど良いサイズが見つからない場合は、細かい設定が必要なシャツだけでもオーダーメイドで作るのがおすすめです。
【男性編】就活のビジネスカジュアルコーデ
メンズのビジネスカジュアルは、いわゆるジャケパンスタイルが基本。就活用のビジネスカジュアルでも、正統派のジャケパンスタイルをベースにしてください。コーディネートで使用する定番のアイテムと、その選び方を解説します。
トップス
ビジネスカジュアルでは、襟付きの上品なトップスを選ぶのが原則。その中でももっとも品がある「シャツ」を選ぶのがおすすめです。シャツの王道カラーである「白」や「サックスブルー」の無地を選べば、正統派のムードが広がります。
(襟もカラーと呼ぶので紛らわしいのですが、)襟型はレギュラーカラーでも問題はありません。ただし、ビジネスカジュアルではネクタイは締めないのが基本なので、ノータイでも首元が決まりやすい「ワイドカラー」や「セミワイドカラー」、「ボタンダウンカラー」などの襟型を選ぶのがおすすめです。
生地はノンアイロンタイプを選んでおくと、忙しい就活中でもケアが簡単で助かります。
ジャケット
必ずしもジャケットは必要ないビジネスカジュアルですが、ジャケットを羽織ったほうがフォーマル感が演出できます。そのため、就活ではジャケットも着用するのがおすすめです。
ネイビー、ブラック、グレーといった王道カラーが基本。シンプルな無地か、それに近いシャドーストライプを選ぶと品良く着こなせます。
ディテールはスーツのジャケットと同じタイプがビジネスシーンでは最適。ただし、スーツのジャケットはそのまま流用せず、セットアップか単体のジャケットを着用するようにしましょう。単体での着用を想定したジャケットでないと着丈などのバランスがおかしくなるからです。
最近はストレッチ性や防シワ性などの機能を備えたジャケットも増えているので、動きやすさやイージーケアを考慮してアイテムを選ぶのもおすすめです。
ボトムス
ビジネスカジュアルのボトムスはほぼ2択。「スラックス」か「チノパン」を選びましょう。
スラックスは、ビジネススーツのパンツと同じアイテム。定番カラーのチャコールグレーやネイビー、ブラックなどを選べば、コーディネート全体が上品に落ち着きます。
チノパンはチノクロスでできたパンツのことです。スラックスよりは少しカジュアルな雰囲気で、アメリカントラッドなムードも感じられます。ベージュやネイビーなどの定番カラーで、スラックスに近いシンプルなタイプがビジネスカジュアルに適しています。
どちらのパンツを選ぶにしても、丈が短いとラフな印象になるので、裾が少し靴に乗る程度の長さにしましょう。最近はイージーパンツの要素を取り入れつつ高機能な生地も使って快適性を高めたビジネス用のパンツも増えていますので、そんなタイプがイチ押しです。
シューズ(革靴)
ビジネスカジュアルの足元は「レザーシューズ」が基本。フォーマル度の高いレースアップシューズでも構いませんが、それよりもカジュアルなローファーなどが最適です。
カラーは定番のブラックかブラウンを選ぶのがビジネスシーンでの原則。ボトムスとトーン(明るさ)を揃えると、下半身に統一感が生まれて品良くまとまります。
スニーカーはラフな印象になりがちなので、就職活動では避けたほうが無難です。
ビジネスバッグ
スーツに合わせるのはブリーフケースが基本ですが、ビジネスカジュアルではトートバッグなどでも問題はありません。ただし、シンプルなデザインの上品なタイプを選びましょう。
ブラックやネイビーなどのダークで落ち着きあるカラーを選ぶのがセオリーです。また、最低でもA4サイズの書類が入るサイズを選んでおくのも重要。そうした条件をクリアすれば、素材はレザーでもナイロンでもOKです。
リュックやバックパックはラフなイメージを与えかねないので、就職活動では選ばないようにしましょう。
【女性編】就活のビジネスカジュアルコーデ
レディースのビジネスカジュアルは、メンズよりも自由度が少し広がります。とはいえ、清潔感やきちんと感があり、サイズもジャストを選ぶのが基本です。もしもコーディネートに迷ったら、ジャケットをマストにして全体的に上品にまとめるように意識しましょう。アイテム別に選び方を解説しますので、参考にしてください。
トップス
女性のトップスも「シャツ」を選んでおけば問題はありませんが、カジュアル感を高めたい場合は「ブラウス」や「カットソー」という選択肢もあります。
カラーは「モノトーン系」や「ネイビー」が基本。ただし、「アースカラー」や「ペールカラー」で少し柔らかい印象を演出する方法もあります。
女性用のトップスはフリルなどの装飾が付いたデザインや少し派手な柄物も珍しくありませんが、就職活動用としては不向き。シンプルな無地を選ぶのがおすすめです。また、ノースリーブを始めとする肌の露出が多いトップスも避けたほうがベターです。
ジャケット
男性と同じく、ジャケットはビジネスカジュアルの必須アイテムではありませんが、着用したほうがきちんと感が演出できます。
女性用のジャケットは選択肢が広く、「ネイビー」「ブラック」「グレー」などの王道カラーに加え、落ち着いた雰囲気さえあれば「アースカラー」なども狙い目です。
シンプルなデザインであれば、シングルだけでなくダブルを選んでもOK。また、ジャケットの代わりにシンプルなカーディガンを選んでも問題ありません。
ボトムス
ボトムスは、スラックスタイプの「パンツ」かシンプルな「スカート」を選ぶようにしましょう。
落ち着きのある「ブラック」「ネイビー」「グレー」などを選び、コーディネートを引き締めるのがおすすめです。
女性はボトムスの「丈感」も自由度が高く、少し短めのクロップドパンツを選ぶと適度なカジュアル感が醸出できます。スカートは立った時に膝が隠れる長さを選んで品良くまとめるのがおすすめです。
シューズ
シューズはやはり、品格の感じられる「レザーシューズ」がおすすめ。ヒール高が3〜5cmと低めの「パンプス」を選ぶのがセオリーです。
リボンなどの装飾的なディテールはできる限り省き、シンプルで上品なタイプを選ぶのもポイント。
カラーは定番的な「ブラック」「ネイビー」「ブラウン」などを選び、ボトムスとシューズで引き締めるようにするとビジネス感が生まれます。
トートバッグ
女性のビジネスカジュアルでは、シンプルな「トートバッグ」が定番です。「ブラック」「ネイビー」「ベージュ」といった定番カラーを選ぶとビジネスシーンにマッチします。
また、A4サイズの書類が入る大きさを選び、置く場所がない場合も床に置ける自立するタイプを選んでおくのがおすすめ。雨が降っても中身が濡れないように、撥水加工が施された素材、開口部が閉じられるタイプを選んでおくと安心です。
季節によっても違う!就活のビジネスカジュアルコーデ対策
就職活動におけるビジネスカジュアルの基本は押さえられたでしょうか。目的は内定を獲得することなので、そのためには正統派のコーディネートを構築するだけでは足りません。さらにもう少しだけ、季節に合わせた工夫が必要です。講じておくべき対策を季節別に紹介するので、最後の仕上げとして実践してください!
春夏:暑さに備えた汗染み・ニオイ対策
暖かい春や暑い夏は、汗対策が欠かせません。怠ると「清潔感」を損なってしまうからです。
ポイントは「汗染み」と「臭い」への対策。脇などにかいた汗でシャツが濡れて染みができてしまうと見苦しいため、通気性の高いアイテムで汗をかきにくくしたり、制汗剤で汗をかかないようにしたりする防止策が必要です。また、脇汗パッドでシャツが濡れないようにしたり、高機能インナーで汗を分散したりするのも効果的。サックブルーを始めとする淡い色のシャツは濡れた部分が目立ってしまうため、濡れても目立たない白を選ぶという手もあります。
汗をかいてそのままにしておくと臭いが発生してしまうため、会場の近くで着替えるという方法も有効。着替えた後なのに焦って急いでしまうと再び汗をかいてしまうので、普段よりも時間的な余裕を確保しておくのもおすすめです。
秋冬:シンプルデザインのコートで防寒対策
涼しい秋や寒い冬は、防寒対策としてコート類が必要になります。ビジネスカジュアルだからといってカジュアルなコートを選ばないようにしましょう。
オフィスや会場ではコートを脱ぐのが基本マナーなので、コートのデザインが目立つことはないかもしれませんが、見られてもいい上品なコートを選んでおいたほうがベターです。具体的には、シンプルなデザインの「トレンチコート」「ステンカラーコート」「チェスターコート」などを選ぶようにしましょう。
カラーも定番の「ブラック」「ネイビー」「ベージュ」「ブラウン」などを選ぶのがおすすめです。
おすすめアイテム
就活で避けるべきビジネスカジュアルの失敗パターン4選
ここまでに紹介したポイントをしっかり押さえておけば、就職活動用のビジネスカジュアルは万全です。スタンダードで良い......という正解はわかっていても、アピールしたい、好みではないといった理由から、正統派からズレて失敗するケースも珍しくありません。典型的な失敗パターンを紹介しておきますので、同じような失敗をしないように気をつけてください!
カジュアルすぎるアイテム
ビジネスカジュアルの基本アイテムだけを使ったコーディネートと組み立てれば問題はありませんが、カジュアルすぎるアイテムを1点でも取り入れるとラフな印象になってしまいます。就活中は、「Tシャツ」「パーカー(フーディー)」「ショートパンツ(ハーフパンツ)」「スニーカー」「サンダル」は避けておくのがおすすめです。
また、シャツやジャケットだとしても、派手なカラーなどを選ぶとラフになってしまうので、定番カラーを選ぶようにしましょう。
ブランドロゴ の刺繍やプリントが目立つデザイン
カジュアルなアイテムを避け、正統派のアイテムのみでビジネスカジュアルをコーディネートしたとしても、ブランドのロゴが目立ってしまうとラフな印象になることもあります。
控えめにロゴが入っている程度なら問題ありませんが、目立ちすぎていないか必ずチェック。たとえ靴下でも意外と目立つものなので、しっかり確認するのがおすすめです。
また、ブランドのロゴではないとしても、目立ちすぎるアイコンやワンポイントなどのデザインもNG。あくまでシンプルで上品なコーディネートにまとめるのが基本です。
アクセサリーを大量につける着こなし
就職活動中のビジネスカジュアルは、シンプルで上品なコーディネートが原則。いくらシンプルなデザインだとしても、アクセサリーやジュエリーをたくさん着けてしまうと、品位を損なってしまうことがあります。
男性の場合、アクセサリーは着けないほうがベターです。 女性の場合は、シンプルで華奢なタイプを最低限に留める程度に。ピアスは外しておいたほうが無難です。
過度な露出
肌を露出しすぎると、品位を損なってしまう場合があります。就職活動中のビジネスカジュアルでは、タンクトップ、ノースリーブのトップス、ショートパンツ(ハーフパンツ)、ミニスカートなどは避けてください。
胸元の大きく開いたトップスや、シャツのボタンを多く開けるのもNGです。
なぜ就活にビジネスカジュアルが必要?企業が推奨する理由3選
冒頭でも触れた通り、ビジネススタイルのカジュアル化に伴ってリクルートのシーンでもビジネスカジュアルを指定する企業が増えています。しかし、単に普段のドレスコードを反映しているだけでなく、企業側は他の意図も含めてビジネスカジュアルを指定しているケースが大半です。そこで、企業がビジネスカジュアルを指定したり推奨したりする狙いも解説しておきます。その意図を理解することで、面接や試験に臨みやすくなるはずです。
柔軟な企業文化をアピールするため
普段からカジュアルな服装で働いている社員が多い企業は、そうした「自由で働きやすい社風」であることを応募者に伝えるために、ビジネスカジュアルを指定するケースが増えています。
自社の魅力をアピールしたいという意図がある場合もあれば、自社の社風と応募者とのマッチングを図りたいという意図があるケースもあります。前者の場合はあくまで「アピールしたい」という意図なので、その企業が実際に柔軟で自由な社風なのかは、見極める必要があります。
応募者の適応性を評価するため
リクルートスーツだけを着ていれば問題ないと思っているところに、ビジネスカジュアルを指定されると、服装の選択肢が一気に増え、何を着て良いかわからなくなってしまうのではないでしょうか。そうしたケースでの「適応力」や「判断力」をチェックする意味でビジネスカジュアルを指定している企業もあります。その際は、正統派のビジネスカジュアルを着こなすのが模範解答です。
もしもビジネスカジュアルのアイテムが揃えられず、リクルートスーツしかない場合は、ネクタイを外すことでビジネスカジュアルへの即席なアレンジも可能です。ビジネスカジュアルの指定なのにどうしてスーツを選んだのか指摘された場合に備え、自分のアピールポイントにつながるような理由を準備しておけたら万全です。
自分らしさを表現してほしいため
スーツよりも自由度の高い服装を指定することで、応募者の「個性」や「自分らしさ」を見たいと考えている企業もあります。その場合はビジネスカジュアルを指定するだけでなく、「私服でお越しください」と表現する場合も少なくありません。
ただし、この場合の私服は一般的に「ビジネスパーソンになった際の私服」であり、ビジネスカジュアルやオフィスカジュアルで臨むのがベターです。
また、学生はまだスーツに着慣れていないため、ビジネスカジュアルのほうがリラックスでき、内面的な個性が出しやすくなるという面もあります。服装はビジネスカジュアルの範囲内で個性を演出しつつ、面接などで自分らしさをアピールするのがおすすめです。
就活のビジネスカジュアルに関するよくある質問
最後に、就活でビジネスカジュアルを指定された際によくある質問を紹介し、わかりやすく回答しておきます。大前提として、学生の感覚のままで考えるのではなく、ビジネスパーソンになってからの感覚を想像して考えるのがポイントです。
就活におけるカジュアルな服装とは?
就職活動における「カジュアルな服装」は、「ビジネスカジュアル」だと思ってください。学生感覚で「カジュアル」と聞くと、かなりラフなコーディネートをイメージするかもしれませんが、企業が相手の就活の場なので、ビジネスシーンにおけるカジュアルと理解するのが基本です。
ジャケットを着用しているからといって、インナーをTシャツやパーカー(フーディー)にしてしまうとラフな服装になったしまうため、インナーも襟付きのトップスにしておくのがベターです。
就活のビジネスカジュアルでおすすめの色は?
ビジネススタイルの王道カラーである「ネイビー」を選ぶのがおすすめです。リクルートスーツでは最近、ブラックが増えていますが、本来はフォーマルなカラー。それよりも少しカジュアルなイメージを打ち出す意味でも、ビジネスカジュアルでの色選びで迷ったら、ネイビーを選ぶのがイチ押しです。
ネイビーは「清潔感」「落ち着き」「信頼感」「誠実性」といった印象にもつながるため、その意味でも理に適っています。
【まとめ】服装で減点されないように、正統派のビジネスカジュアルを把握しよう!
就職活動で「ビジネスカジュアル」と指定された場合は、シンプルな王道カラーのアイテムを選び、正統派のコーディネートを目指すのがおすすめ。そこまではできている人も多いのですが、ジャストサイズで品良く着こなすのも重要なポイントです。
もしも既製品で自分の身体に合うサイズが見つからない場合は、オーダーメイドを活用するという方法も。サイズ感がわかりやすいシャツだけでもオーダーしてみてはいかがでしょうか? 〈SOLVE(ソルブ)〉のオーダーシャツは、ビジネスカジュアルに最適な生地が豊富なので、是非チェックしてみてください!
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