クールビズ(COOL BIZ)とは?
「クールビズ(COOL BIZ)」という単語は聞いたことがあると思いますが、意味をきちんと理解していますか? 改めてここで解説しておきましょう。
クールビズとは、「オフィスでも過度な冷房に頼らず、様々な工夫をして夏を快適に過ごすライフスタイル」のこと。エネルギー問題の対策としてエアコンの温度を高めに設定する一方、クールビズ用の軽装によって暑い夏を快適に過ごすように環境省が呼びかけ、広く浸透しました。
クールビズ期間の服装に関しては「クールビズスタイル」などとも呼ばれ、「涼しく過ごすためのビジネススタイル」を指します。
クールビズの基本の服装
クールビズは環境省の呼びかけがきっかけで広まったため、服装に関するガイドラインも示されています。その指針によると、クールビズの基本スタイルは「ノージャケット」「ノーネクタイ」です。さらに「半袖シャツ」も認められ、「かりゆしシャツ」や「チノパンツ」もOKとなっています。
また、さらなる軽装化として「スーパークールビズ」も提案されています。その場合は、ポロシャツ、アロハシャツ、チノパンツ、スニーカーに加え、Tシャツ、ジーンズ、サンダルまで許容範囲。あくまでガイドラインですが、1つの目安として参考になります。
クールビズの期間
クールビズの期間は当初、5月1日〜9月30日までと定められていました。現在も集中的な実施はその期間となっていますが、実際の運用期間は各企業の裁量で設定可能。最近は例年の平均気温が参考にならないほど夏の気温が上昇したり暑さが続いたりしていますので、実際の気温に合わせてクールビズを活用できるようになっているのです。
いずれにしても、ゴールデンウィーク中くらいまでにはクールビズの準備をしておくのがおすすめです。
2024年度の環境省の方針
実はクールビズは年々アップデートされていて、2024年度の方針も発表されています。大きなポイントは、「デコ活」に向けた取り組みの1つとしてクールビズを捉えている点です。
「デコ」とは、二酸化炭素 (CO₂)を減らすという意味の「Decarbonization(脱炭素)」の「De」と、環境に良い「エコ(Eco)」を組み合わせた造語。そして、「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」を「デコ活」と定義しています。
そのデコ活の一環として、働きやすい服装を選べる「オフィス服装改革」を呼び掛け、クールビズ×サステナブルファッションの普及を推進しています。つまり、クールビズはもはや働く人が快適になるだけでなく、地球環境のためにも必要不可欠なスタイルになっているのです。
【男女別】知っておくべきクールビズの服装マナーとポイント
クールビズの概要をおさらいしたところで、実際にコーディネートを考える際の参考となるマナーを男女別に解説しておきましょう。ここで紹介する一般的なマナーをベースにしながら、職場のルールなども考慮しつつ実際のクールビズスタイルに落とし込んでみてください。
男性の場合
前述の通り、男性のクールビズスタイルは「ノージャケット」「ノーネクタイ」が基本形。トップスは「シャツ」か「ポロシャツ」、ボトムスは「スラックス」か「チノパンツ」が定番です。
シャツは上品な長袖を軸にするのがおすすめ。半袖のシャツはカジュアルが印象が強いので、もしも着用する場合はジャストなサイズ感を徹底しつつ、袖がダボっとしていないタイプを選ぶようにしましょう。
また、アイテムに関わらず通気性の高い素材を選び、着心地も涼しい服装にまとめるがおすすめです。夏の定番素材である「麻」は通気性に優れていますが、独特なシワ感もあるため、シワが目立ってだらしなく見えないように注意しましょう。とくにシャツを主役にする場合は、シワになりにくい「防シワ」や「形状記憶」などの機能を備えた生地を選ぶと便利です。
また、ノータイでシャツを着用する場合は第1ボタンを外すのが基本。その際に襟元からインナーが見えないように、Vネックや深いネックのインナーを選ぶようにしましょう。
女性の場合
女性は男性よりもビジネススタイルのバリエーションが多く、少しカジュアルな服装でも問題にならない職場が多くなっています。ただし、肌を露出しすぎるのは原則NG。ノースリーブやキャミソールをメインにしたり、ミニスカートを穿いたりするのは避けたほうがベターです。女性ならではの「袖が短めなジャケット」や「丈が短めのパンツ」を活用すると、品位をキープしながら涼感をアップできます。
通気性の高い素材を活用すべきなのは男性と同様。女性は選べるカラーが多いため、ホワイト、ベージュ、ライトブルーなどの色、ペールトーンなどの色味を取り入れ、見た目も涼しく演出するとおしゃれです。
酷暑の夏は屋外と室内の寒暖差が大きくなるため、温度調整のために薄手のカーディガンなどを常備して活用するのがおすすめです。
クールビズの服装をオシャレに着こなす3つのコツ
クールビズスタイルの基本がわかったところで、ベーシックなコーディネートに留まらず、よりオシャレに着こなすためのコツを紹介します。決して難しいテクニックではありませんので、できる限り取り入れて実践してみてください!
夏らしいカラーを取り入れる
クールビズスタイルは、着心地だけでなく「外見」の清涼感も重要。自分はもちろん周囲の人の視界にも入るので、見た目の涼しさも大切なのです。
そこで取り入れたいのが、夏らしい涼感のあるカラー。定番のネイビーやグレーでもライトなトーンを選んだり、明るめのベージュや白を組み込むことで、コーディネートを涼しげにまとめるのがおすすめです。
「季節感」はファッションの観点でも大切なポイントなので、夏らしいカラーを取り入れることがオシャレ度アップにつながります。
ベルトと靴の色を統一する
クールビズの服装は、ビジネススタイルとしてのきちんと感をキープすることも大切です。そのための方法はいろいろありますが、小技によって品格をアップするのも効果的。スーツの着こなしでは定番の「小物類の色と素材感を統一する」というテクニックを実践するのがおすすめです。
例えば、ベルトも靴も黒のレザーで揃えると、統一感が生まれ、それが落ち着いたムードや上品な雰囲気へとつながります。素材を統一するのが難しい場合は、色だけを揃えても有効。バッグや腕時計などの小物まで統一できたら効果はいっそう高まりますが、まずは目につきやすいベルトと靴だけでもリンクしてみてください。
ネクタイを締める場合は清涼感を意識
クールビズスタイルはノータイが基本です。ただし、フォーマル感を高めたり、コーディネートをアレンジしたりするためにネクタイを活用する方法もあります。いずれにしても、せっかくのクールビズをネクタイで温暖化してしまっては台無し。ネクタイを着用する際も清涼感のある印象を意識しましょう。
決して難しい話ではなく、「寒色」か「明るい色」がベースのネクタイを選べばOK。ライトネイビーやブルーが基調のネクタイが狙い目です。
おすすめの柄は、品格を損なわない「定番柄」。素材は、フォーマル度を高めたいなら「シルク」、カジュアル感をキープしたいなら「コットン」「リネン」「ニット生地」を選びましょう。
クールビズおすすめアイテム
クールビズにおける服装の3つの注意点
ビジネスカジュアルでは通常ジャケットを着用しますが、夏のクールビズに限ってはノージャケットが基本です。シャツが主役になるからこその注意点もあるため、ここできちんと解説しておきます。
ワイシャツにはインナーの着用が必須
クールビズの服装はノージャケットが基本で、シャツが主役になるコーディネートがベースとなります。シャツがメインの着こなしでインナーを着用しないと、汗が直接シャツについて汗染みができてしまい、汗染みが目立つと見るからに暑苦しい印象になってしまいます。汗染みは清涼感も損なってしまうため、それを防ぐためにインナーを着るようにしましょう。「吸汗速乾性」などを備えた高機能なインナーを選ぶと効果が高まります。
シャツは第一ボタンを外すのが基本なので、開いた首元からインナーが見えないように、ネックが深めのインナーを選びましょう。また、シャツの上から透けて見えにくい色のインナーを選ぶことも大切。「肌の色に近いベージュ」か、「シャツと同じ色」のインナーを選ぶと透けづらくなります。
ジャストサイズのものを着用する
大きなのサイズの服は空気の通りが良くなるため、涼しく過ごすという意味に限っては理に適っています。その一方、ダラしない印象になりがちで、品格を損なってしまうという大きな短所も。クールビズスタイルはあくまでビジネスシーンでの「仕事着」なので、品良く着こなせる「ジャストサイズ」を選ぶようにしましょう。
通気性や接触冷感などの機能を持つインナーを活用することで、風通しや涼感は補完できます。
ジャケット・ネクタイは念のため用意しておく
クールビズが環境省のお墨付きだからといって、フォーマルな場でも着用できるわけではありません。あくまでカジュアルなビジネススタイルなので、TPOに合わせて服装は調整する必要があります。
フォーマルな場ではないとしても、商談、先方への訪問、経営層も出席する重要な会議などでは、より品位のあるコーディネートにしたほうがベターです。とくにクールビズを採用していない企業や部署を訪問する際は、相手に合わせないと印象が悪くなってしまう場合もあります。
営業職のようにクライアントに会う機会が多い職種の場合は、相手に合わせていつでもジャケットやネクタイを追加し、カジュアル感が払拭できるようにしておくのが賢い手段。シワになりにくい生地のジャケットなら、バッグに入れて持ち運んでも苦になりません。
服装に迷ったら!クールビズのおすすめアイテム4選
クールビズの服装はその特性上、かなり薄着になります。着用するアイテム数が少ないため、選択肢もかなり限定的。ここでピックアップする4アイテムがあれば、正統派のクールビズスタイルはコーディネートできます。アイテム毎にポイントも解説しますので、少数精鋭なワードローブを構成してみてください!
ワイシャツ
クールビズのガイドラインでは半袖シャツでもOKとなっていますが、実際のビジネスシーンではワイシャツは「長袖」が基本。半袖がNGというわけではありませんが、長袖を選んでおいて暑くなったら袖をまくって調節するほうが品位をキープできます。
また、通気性が高い生地を選べば、長袖でもかなり涼しい着心地になります。このコーディネートで選んでいる「からみ織り」の生地もその代表格で、通気性に優れる生地を活用しない手はありません。
カラーは、涼感のある「ブルー系」が定番。淡いサックスブルーが王道で、幅広く着回せます。また、ノーネクタイでも首元が決まりやすい襟型を選ぶのもポイント。襟先が広く開いた「ワイドカラー」や「カッタウェイ」、襟先が固定できる「ボタンダウンカラー」が定番です。
ポロシャツ
半袖のトップスなら、ポロシャツがおすすめ。もともとはスポーツ用で、ビジネスシーンではカジュアルなアイテムになるため、「定番カラー」の「無地」を選んで品位を補うのがおすすめです。とくにおすすめなのは、「ホワイト」と「ネイビー」。ポロシャツならではの爽やかさをキープしながら、上品な印象も高められます。
さらに、生地感で品格を補足するのもおすすめ。ポロシャツの定番生地は凹凸感のある鹿の子。だからこそ、「フラットな生地」を選ぶだけでドレス感が高まります。また、短めの着丈を選べばタックインしなくてOKなのもポロシャツの特徴。裾を出しておければ空気の通りが良くなり、より涼しく過ごせます。
スラックス
クールビズのパンツは品の良いスラックスが基本。「ストレッチ性」「通気性」「速乾性」などを備える機能的な生地を使ったタイプを選べば、穿き心地はかなり快適です。
涼しさを演出するなら、明るめのトーンを選ぶのが効果的。定番カラーのグレーの中でも「ライトグレー」を選べば軽快感が高まり、たとえシャツがダークでもクールビズ調に仕上がります。グレー以外はネイビーやベージュも穿きまわしやすい定番カラーですが、クールビズでは「ホワイト」を活用するのもおすすめ。少し上級者向きではありますが、品位を損なうことなく清潔感、こなれた雰囲気、都会的なムードなどが打ち出せます。
ジャケット
【まとめ】着心地も見た目も涼しいコーディネートを目指そう
クールビズの服装について解説しましたが、夏を快適に過ごすコーディネートの準備はできたでしょうか? 性別を問わず、通気性の高い生地を使ったアイテムで涼しい着心地に仕上げるのがポイント。さらに、明るいカラーを活用して見た目の清涼感も演出できたら申し分ありません。その一方、ビジネススタイルとしてのフォーマル感や品位を意識することも大切です。
クールビズは機能性ときちんと感のバランスが難しそうに思えますが、〈SOLVE(ソルブ)〉にはそんな要素をすべて備えたアイテムが揃っています。アイテムを新調する際には選択肢に入れてみてください。
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