きちんとリネンを理解して、さまざまなシーンで活用しよう
リネンシャツを活用していますか? 「着たことがないから…」「ケアが難しそうだから…」といった理由で何となく避けてきた人は損をしているかもしれません。結論から言えば、ジメジメした日本の夏にこそリネンシャツはおすすめです。特徴を踏まえつつ、ポイントを押さえてケアすれば、あらゆるシーンでリネンシャツが頼れる存在になってくれます!
リネンとは? ラミーとの違いは?
そもそも「リネン」とはどんな素材でしょうか。「リネン」は一般的に「麻」と訳されますが、実は日本では植物の茎から取れる繊維をすべて「麻」と呼んでいます。その数は数十種類に及ぶと言われていますが、日本工業規格 (JIS) で定めている「麻」は「リネン」と「ラミー」の2種類のみです。
それぞれ簡単に解説すると、「リネン」は亜麻科の「亜麻」から取れる繊維で、「ラミー」はイラクサ科の「苧麻(ちょま)」から採れる繊維。「通気性が高い」といった共通点も多々ありますが、触感が大きく異なっています。「リネン」はシャリ感があんりながらも柔らかくしなやかな触感なのに対し、「ラミー」はシャリ感が強く、チクチクと感じることも。衣類に使用される麻としては「ヘンプ(大麻)」もありますが、ラミーよりもさらにシャリ感があってざっくりした感触です。つまり、麻の中でもっとも肌触りが良く、上品なシャツに向いているのがリネンというわけです。
リネンシャツの特長
ビジネスシーンで着用するシャツに向いている素材は、麻の中でも「リネン」。その長所を改めて解説します。少しでも気になったら普段のコーディネートにリネンシャツを取り入れてみましょう!
涼しく着用できる
リネンは高温多湿な日本の夏に適した素材だと言われています。その理由は、「通気性」「吸水性」「速乾性」に優れているから。リネンの繊維には中空部分があり、空気を通しやすくなっています。また、汗を吸い取って発散してくれる効果も特徴的です。吸水性に限って言えばコットン(綿)も優れていますが、リネンは速乾性も高いため、不快感をいち早く払拭。雑菌の繁殖も防いでくれます。
さらにリネンは、「ドライな触感」も特長。断面が多角形なので肌への接地面が少なく、まとわりつくような不快感がほとんどありません。ジメジメした季節や汗をかいやすい日ほど、リネンが重宝するのです。見た目も清涼感たっぷり
着用感が涼しいリネンは、機能面だけでなく「見た目」も「涼しげ」です。繊維に沿った筋があり、適度なムラ感もあるのがポイント。立体的な表情もあるため、それが見た目の涼感につながっています。カジュアルなシーンはもちろん、ビジネスシーンでも相手に与える印象は重要。リネンを活用すれば、清涼感のある印象が演出できます。
洗うほどに柔らかくなる
シャリ感やハリ感(張り感)などと呼ばれる触感を生む「適度な剛性」もリネンの特徴の1つ。ただし、洗えば洗うほど柔らかくなり、肌に馴染みやすくなっていきます。くったりとして味わいも深まりますが、デニム生地のように大きな変化があるわけではありません。きちんとケアすれば品格を保ちながら長く愛用できます。そんな魅力を意識して、自分だけのリネンシャツを育ててみてはいかがでしょうか?
【参考】リネンシャツを見る
『リネンシャツ一覧』ビジネスシーンにリネンシャツを取り入れるには?
リネンシャツはもともと、その特徴からリゾート用の素材として重宝されてきました。しかし最近はオフィスのドレスコードがカジュアル化していることもあり、クールビズなどのビジネスカジュアルとして取り入れられるケースも増えています。ただし、どんなリネンシャツでもビジネスシーンで着用して良いわけではありません。ここでは、上品なビジネスカジュアルで取り入れる際にチェックすべきポイントを解説します。
色
リネンシャツに限った話ではありませんが、「定番カラー」を取り入れるのが定石です。ビジネスシーンでシャツの定番と言えば、「白」と「サックスブルー」。リネンシャツでもそうした淡い定番カラーから取り入れるのがおすすめです。着こなしやすいのはもちろん、明るいトーンならリネンならではの表情が際立つというメリットもあります。持ち前の清涼感を強調しながら着こなしてみてください。
襟型
リネン製のシャツは基本的にはカジュアルなシャツです。そのため、ノーネクタイで着用するのが基本。ネクタイをしなくてもまとまりやすい「襟型」を選ぶのがポイントです。具体的には、襟が固定できる「ボタンダウンカラー」、襟先が大きく開いた「ワイドカラー」や「カッタウェイカラー」がおすすめです。
ちなみに、リネンシャツと言えばオープンカラーが定番ですが、それはあくまでカジュアルなデザイン。ビジネスライクに仕上げたい場合は避けたほうが無難です。 また、リネンはクタッとしやすい生地なので、襟元をキリッとさせたい場合はカラーステイ付きのシャツを選ぶのがおすすめ。襟の形が決まれば、全体の印象も引き締まります。【参考】襟型について詳しくはこちら
『襟型一覧』【参考】人気の襟型は?
『パーツ別人気ランキング』デザイン
すでに解説した通り、生地がリネンというだけで少しカジュアルな印象のシャツになるので、他の要素はできるだけ「シンプル」なタイプを選ぶするようにしましょう。
避けたほうがベターなのは、ボディと色を変えることでボタンをアクセントにしたデザイン、前立てやカフスなどの裏地を差し色や柄で切り替えたデザインなど。ミニマルなデザインのシャツを選び、リネンの生地感が際立つように着こなすと品良くまとまります。サイズ感
リゾートテイストのリネンシャツは大きめなサイズ感が基本。体のラインを拾わないビックシルエットやオーバーサイズでリラックス感を高めているのです。
ビジネスシーンでは反対に、「ジャストサイズ」が原則。体に沿ったサイズ感にすることでエレガントな印象が演出できます。 全体的なサイズ感だけでなく、ウエスト部分もポイント。腰周りがゆったりしているボックスシルエットではなく、ウエストを少し絞ったシェイプを選ぶことで品格がアップできます。また、シャツの裾はパンツにタックインしたほうが上品。着丈が長めだとタックインしやすくなります。【参考】シャツのサイズはどう選ぶ?
『【動画解説付】ワイシャツはサイズ感がポイント!正しい測り方や確認方法を詳しく解説』 『シャツの「ゆとり問題」を解決! オーダーシャツだからこそ自由に設定できるサイズの決め方を解説』【参考】自分のサイズを知ろう
『ボディ&シャツ採寸ガイド』知っておきたいリネンシャツのケア方法
冒頭でも触れましたが、リネン素材のシャツは「ケアが難しそう」といったイメージがあるかもしれません。しかし、ポイントを押さえて習慣化してしまえば、意外と簡単。要点を解説しますので、慣れるまで何度か実践してみてください!
基本の洗濯方法
リネン素材は摩擦などで表面が毛羽立ちやすいため、「擦れないように洗濯する」のが基本です。洗濯機で洗う場合はネットに入れ、「ドライコース」で優しく洗うのがおすすめ。洗濯ネットに入れることで不要なシワが増えるのも防げます。
リネンは漂白に弱い素材でもあるため、塩素系漂白剤はNG。漂白が必要な場合は「酵素系漂白剤」を「少量のみ」使う程度に留めましょう。また、色物や柄物には中性洗剤を。襟などに気になる汚れがある場合は、その箇所に洗剤を直接つけて漬け置き洗いを追加すると汚れが落ちやすくなります。 リネンは脱水し過ぎるとシワが増えてしまうため、「脱水時間は短く」設定するのが基本。乾燥機を使うのはもってのほかです。生地自体が乾きやすいので、脱水時間が短めでも意外と早く乾きます。 干す際は「陰干し」がおすすめ。日光に長く当てると色があせたり変色したりする可能性が高まるので、日陰で干すのが最善策です。シワの伸ばし方 (アイロンの方法)
リネンはシワが入りやすい素材なので、「シワを伸ばしてから干す」のが鉄則。深いシワが入ってままで乾いてしまうとアイロンでも取りにくくなってしまうため、干す前に伸ばすひと手間が大切です。
アイロンをかける際は、霧吹きなどで湿らせてから生地を引っ張りながらシワを伸ばすと効果的です。もしも衣類用のスチーマーを使う場合は、裏側からアイロン用のミトンを当てるのがおすすめ。通気性が高いリネンは蒸気が通り抜けて効果が低減しやすいため、ミトンで受け止めながらシワを伸ばすとキレイに仕上がります。保管方法
収納する際はシワが入らないように、「ハンガーに掛けて保管する」のがイチ押しです。リネンは型崩れしやすい素材ですが、太めのハンガーを選べば防げます。畳んで収納する場合は、できる限り畳みジワが入らないように、ふんわりと折りたたむようにしましょう。もしもシワができてしまったら、アイロンなどでシワを取ってから着用すれば問題ありません。
【参考】シャツの正しい畳み方をチェック
『ワイシャツの簡単なたたみ方とは?シワにならない収納方法も詳しく解説』まとめ
「リネンシャツ」の特徴はおわかりいただけたでしょうか? 定番カラーのシンプルなリネンシャツをビジネススタイルに取り入れ、清涼感を演出してみてください。リネンの独特な表情がこなれ感を生み出してくれるので、シンプルになりがちな夏のコーディネートも洒脱に仕上がります。
ケアもそう難しくはなく、シワが入らないように手入れすれば良いだけです。〈SOLVE(ソルブ)〉にもオーダーシャツ用のリネン生地がが豊富に揃っていますので、白やサックスブルーから挑戦してみてください!【参考】リネンシャツを見る
『リネンシャツ特集』関連コンテンツ
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