2023/12/26

ノンアイロンシャツの長所と短所、形態安定性との違い、おすすめシャツなど紹介

企画：SOLVE編集部文章：平格彦(AllAbout「メンズファッション」ガイド／編集者／ライター)

ノンアイロンシャツとは？

「ノンアイロン」や「ノーアイロン」とは、洗濯後のアイロンがけが不要という意味です。つまり「ノンアイロンシャツ」とは、「アイロンがけの必要がないシャツ」を指します。似ている機能として「形態安定」や「形状記憶」などがありますが、それらと「ノンアイロン」との区別は曖昧。ブランドによって分類が異なりますが、シワが入りにくい点は共通しています。その中でも、アイロンがけが必要ないほどシワが入らず、最高レベルの効果を期待できるのが「ノンアイロン」と覚えておいて間違いありません。アイロンがけが煩わしいと感じているなら、ノンアイロンシャツを活用しない手はないでしょう。着用中もシワが生まれにくいので、清潔感や品格をキープしたいビジネスマンにも最適です。

ノンアイロンシャツの効果を生み出す「仕組み」3種類

機能面では同じ「ノンアイロン」でも、効果をもたらす理由は主に3つの種類に分けられます。それぞれの特徴を解説しますので、自分に適したノンアイロンシャツを選ぶための指針としてください。

①シワになりにくい素材を使っている

シワになりにくい素材を使ってノンアイロンを実現しているのがこのタイプです。シワになりにくい代表的な素材はポリエステル。コットンなどとブレンドして使用するする場合もありますが、ポリエステルの混合率が高いほどシワも生まれづらくなります。

長所と短所

素材自体がシワになりにくい長所としては、高い防しわ効果が挙げられます。短所としては、コットンなどの天然素材と比べてソフトな肌触りや風合いに乏しく、生地感がチープになりやすいこと。速乾性が高い一方で、吸湿性に欠ける場合があるのも特徴です。

②シワになりにくい特殊加工を施している

生地に薬品処理や樹脂コーティングといった特殊加工を施すことで、防シワ性をプラスしているパターンもあります。素材が自由に選べるため、生地の個性を活かしながらシワになりづらい機能性を上乗せできるのが大きな特徴です。

長所と短所

例えば素材がコットン100％の場合、持ち前の肌触りの良さ、ナチュラルな風合いなどがキープできます。また、高級感のあるブロード生地などをベースにした場合は、その品格を損なうことがありません。ただし加工である以上、洗濯を重ねることでどうしても防シワ効果は薄れてしまいます。

③シワになりにくい織り方 (編み方) を採用している

ノンアイロンシャツの多くは①と②の仕組みでシワになりにくい生地を実現していますが、織り方や編み方で防シワ性を高めている場合もあります。また、①や②との併用で効果を高めているケースも珍しくありません。具体例としては鹿の子などのニット生地をイメージするとわかりやすいでしょうか。原則的に生地の目が粗いほどシワが生まれにくくなります。その反面、目が詰まっているほどエレガントな印象になりますので、織り方や編み方で防シワ性を実現した生地はフォーマル度が低くなりがちです。ただし、目が粗いからこそ通気性に高くなるメリットもあります。