ネクタイは種類豊富! 違いを知って最適な1本を選ぼう。
ネクタイの種類は意外に豊富
スーツを使ったコーディネートは細かいルールが決まっていますが、その中でもっとも個性を演出しやすいのが「ネクタイ」。形状、素材、色、柄のバリエーションがあり、幅広い選択肢の中からデザインが選べるからです。項目別に細かく解説しますので、ネクタイを選ぶ際の参考にしてください!
形状による違い
ネクタイのバリエーションは多彩ですが、最初に押さえておくべきは形状の種類。主なタイプの特徴を解説します。形状によって着用できるシーンなどが異なりますが、もっともポピュラーな「ダービータイ」ならオールマイティーに着用可能です。
ダービータイ(ポインテッドエンドタイ)
ビジネスシーンでよく見かける一般的なネクタイが「ダービータイ」。英国貴族のダービー卿が競馬を楽しむ際に着けていたことが名前の由来だと言われています。端が三角状に尖っていて、両端の大きさが異なっているのがポイント。大きいほうの端を「大剣(たいけん)」、小さなほうを「小剣(しょうけん)」と呼ぶところまで覚えておきましょう。
幅による違い(ナロータイ、レギュラータイ、ワイドタイ)
「ダービータイ」は、太さによって呼び名が変わります。最大幅が7〜8cm程度なら「レギュラータイ」。それよりも細ければ「ナロータイ」で、太ければ「ワイドタイ」と呼ばれます。ナロータイはスタイリッシュな反面、モード感やカジュアル感も生まれるため、ビジネスシーンにはあまり向いていません。ワイドタイは重厚感があってクラシックな印象ですが、ジャケットなどとのバランスも考慮して選ぶ必要があります。
スクエアタイ(スクエアエンドタイ)
先端が四角状になっているタイプは「スクエアタイ」と言います。ニットタイの多くはこの形状なので、見たことがある人も多いのではないでしょうか。逆に言えば、ニットタイ以外ではあまり見掛けない形状です。
【参考】豊富な種類から選べるネクタイ
ボウタイ(蝶ネクタイ)
「ボウタイ」や「蝶ネクタイ」を呼ばれるネクタイは、首元で蝶結びするタイプです。もともとはタキシードなどに合わせるフォーマルなネクタイですが、最近は他のシーンでも使われるようになっています。ここまでは必須の基礎知識なので、確実に覚えておきましょう。
【参考】手結び仕様のボウタイ
結び目の特徴による違い(バタフライ、セミバタフライ、ストレートエンド、ポインテッドほか)
余裕があったら、ボウタイの細かい分類もチェックを。結び目の特徴によって呼び方が変わります。まず、結び目の大きな順に下記のように呼ばれます。 「ビッグバタフライ」>「バタフライ」>「セミバタフライ」 さらに、結び目の形状によっても呼び名は変化。先端がストレートなら「ストレートエンド(バットウィング)」、先端が尖っているなら「ポインテッド(ダイヤモンドチップ)」、先端が丸まっているなら「クラブラウンド」と呼ばれます。
アスコットタイ
モーニングコートなどに合わせるなど、昼間のフォーマルスタイルで使われていたのが「アスコットタイ」。英国王室所有のアスコット競馬場に集まる上流階級の人々が着用していたのが名前の由来と言われています。ワイドな形状が特徴で、スカーフのように巻いて使用。夜に使う場合はスカーフとして襟の中で巻くといったアレンジも可能です。
素材による違い
ネクタイに用いられる素材はそう多くありません。だからこそ、定番的な3つの素材は特徴まで覚えてしまいましょう。実際はポリエステルなどの化学繊維が使われることもありますが、主要な素材の代わりとして用いられることが大半。また、コットンはネクタイの素材としてはカジュアル感が強く、ビジネスシーンではあまり使われていません。
シルク
もっとも定番的な素材が「シルク」。シーンやシーズンを問わず使えます。エレガントな光沢、滑らかなタッチ、適度なハリ感、美しい発色を兼ね備え、まさにネクタイに最適。上質なほどシワが消えやすいとも言われ、機能面でも申し分ありません。
ウール
羊毛が原料で温かみを感じさせる「ウール」は、ネクタイでも秋冬向き。シルクと比べると光沢感がないため、ネクタイにおいていは少しカジュアルな素材となります。ざっくりしたニットタイで使われていることも多く、その場合はさらにカジュアルな印象です。
リネン
ウールと同じく光沢感があまりないのが「リネン」。そのため、ネクタイで使用するとややカジュアルな印象につながります。シャツやジャケットなどで知られている通り、涼感がある生地感も大きな魅力。ネクタイでも春夏向きの素材です。
印象を左右する色と柄
ネクタイは色や柄のバリエーションが豊富なのも大きな特徴です。「色」と「柄」に分けつつ、それぞれのポイントを細かく解説しますので、ネクタイ選びの参考にしてください。
ネクタイの「色」が与える印象
ネクタイに限ったことではありませんが、色によって与える印象は異なります。アクセントカラーをネクタイとして用いる場合は色の印象がいっそう際立つため、それぞれの特徴を押さえて活用するのが賢い手段です。
ネイビー、ブルー
ネイビーを含むブルー系のカラーは「寒色」の代表格。「クール」で「爽やか」な印象が演出でき、「清潔感」も醸し出せます。トーンが明るいほど「爽快感」や「清涼感」が高まり、トーンが暗いほど「知性的」「誠実性」といった印象が強くなるのがポイント。無地のネイビーは汎用性が抜群なので、常に1本は揃えておくのがおすすめです。
レッド、ボルドー
「暖色」の代表がボルドーを含むレッド系のカラー。「情熱的」で「行動力」のある印象が振りまけます。つまり、「積極性」をアピールしたいプレゼンの場などに最適。赤いネクタイは「パワータイ」などとも呼ばれ、アメリカの大統領が活用していることでも有名です。落ち着いた印象が欲しい場合は、ダークで深みのある「ボルドー」を選ぶのがおすすめ。
ピンク
ピンクも赤系のカラーですが、「優しい」ムードが強く、「マイルド」や「柔軟」といった雰囲気が特徴。そのため、エネルギッシュな他の赤系とは異なるカラーと考えるのが正解です。トーンが明るいほど柔和な印象が強くなり、相手の緊張をほぐしたいときに打ってつけです。
【参考】ピンクのネクタイ
イエロー、オレンジ
イエローや、それに近い色味のオレンジは、「社交性」や「好奇心旺盛」といった印象を与えると言われています。良くも悪くもくだけた雰囲気があり、コミュニケーションを深めたい時には有効。その一方、堅めのシーンでは避けたほうがベターです。
ブラウン、ベージュ、ゴールド
「地味」な印象があるブラウンは、「堅実」「努力家」といった大人っぽいイメージも特徴的。ベージュにもそれに近い効果があり、「こなれたムード」の演出も可能です。ゴールドも似通った効果が望めますが、ビジネスシーンで用いる場合は派手な印象を避け、ベージュに近いシャンパンゴールドなどを選ぶのが原則です。
グレー、ブラック
フォーマルなイメージがあるモノトーン系カラーですが、グレーとブラックのネクタイはビジネスシーンでも使えます。どちらも「モダン」「都会的」「落ち着き」といった印象。グレーのスーツに少し色味の異なるグレーのネクタイを合わせると、かなりスタイリッシュなコーディネートに仕上がります。ブラックのネクタイをビジネスシーンで使いたい場合は冠婚葬祭用と同じマットなタイプは避け、光沢のある生地感や柄物を選ぶようにしましょう。
グリーン
グリーン系のネクタイは、「フレッシュ」「穏やか」「ナチュラル」といったイメージ。同じ寒色系のブルーと同じく、明るいほど爽やかな印象になり、暗いほど落ち着いたムードが高まります。グリーンのネクタイは少数派なので、周囲と差別化を図りたいときにも有用です。
パープル、ラベンダー
パープル系のカラーは色味によってブルー系やレッド系に近い印象になりますが、どちらでもないようなパープルなら「高貴」「芸術的」といった印象が広がります。淡いトーンのラベンダーはビジネスシーンででも使いやすく、ペールピンクに近い優しい印象です。
【参考】シャツとネクタイの相性をチェック
ネクタイの「柄」が与える印象
洋服などと同じく、ネクタイも柄によって印象が代わります。シャツが無地の場合はネクタイが差し柄として主張するため、柄ごとの特徴を把握して効果的に演出するのがおすすめです!!
無地 (ソリッド)
もっともオールマイティーに使える柄は無地。無地のネクタイは「ソリッドタイ」と呼ばれ、「スマート」な印象が演出できます。ネクタイが無地なら、シャツやスーツが柄物でも簡単にバランスが整って便利。地味に感じる場合は、凹凸のある生地感を選ぶと無地でも表情が感じられます。ダークな無地のソリッドタイがあると何かと重宝。汎用性の高い無地だからこそ、アクセントカラーなどで少し変化や遊び心を取り入れてもOKです。
ストライプ
ビジネスシーンでスタンダードな柄と言えばストライプ。ネクタイにおいては、ラインが斜めに入ったレジメンタルストライプが大定番で、「勤勉」「真面目」といった印象が醸出できます。斜めのラインが右上がりは英国式、左上がりはアメリカ式と言われていますが、コーディネートを築く上ではあまり気にする必要はありません。それよりも、シャツかスーツもストライプの場合、柄のピッチ幅がネクタイと一緒にならないよう注意しましょう。ラインの間隔で変化をつけ、ネクタイが一体化しないようにするとおしゃれな印象に仕上がります。
小紋
小ぶりなモチーフを全面的に並べたのが小紋柄。モチーフの種類や大きさ、並べ方によって印象が変わりますが、伝統的で小さなモチーフを規則的に並べた小紋柄は「トラッド」「上品」といった印象になります。モチーフのバリエーションは意外と多様で、キャラクターなどを取り入れたデザインも珍しくありません。その場合はかなりカジュアルな印象になるため、TPOなども考慮して着用するようにしましょう。
ドット
ドット柄とは水玉模様のこと。本来はクラシックな柄で、「華やかさ」や「清潔感」を備えているのが大きな魅力です。小紋柄と同じく、ドットが小さいほどフォーマル度が高く、均一に並んでいるほどエレガント。ドットが小ぶりな「ピンドット」と呼ばれる柄は汎用性に優れ、もっともスタンダードな「定番カラー×白いピンドット」のネクタイを備えておくと重宝します。
チェック
チェック柄のネクタイは「親近感」や「カジュアル感」といった印象が特徴的。その一方、他のアイテムよりもチェック特有のフレッシュな印象や子供っぽい雰囲気が強調されるため、柄の種類か色使いで落ち着かせてバランスを整えましょう。柄で落ち着かせる場合は、グレンチェック、千鳥格子(ハウンドトゥース)、ブラックウォッチといった伝統柄を選ぶのがおすすめ。色使いで落ち着かせる場合は、色数が少なく全体的にダークトーンでまとまったデザインを選ぶと使いやすくなります。
ペイズリー
あまり選んでいる人が多くないため、差別化したいならペイズリー柄が狙い目。色合いによっては古風な印象になりますが、色数が少ないモダンなタイプを選ぶと「華やかさ」や「貫禄」が際立ってスーツスタイルがクラスアップします。大柄なデザインも一般的ですが、柄が小さいほど着け回しやすくておすすめ。
【参考】ペイズリー柄のネクタイ
おしゃれなネクタイ選びのポイントは?
数多くのバリエーションがわかったところで、最後はネクタイを選ぶ際のポイントを解説します。自由が高いとは言え、正統派のスーツスタイルでは、合わせるネクタイにはいくつかのルールも存在。ルールというフィルターを通して選択肢を絞った上で、好きなネクタイを選びましょう!
体型に合った長さを選ぶ
ビジネススーツに合わせるネクタイはスタンダードな長さも決まっています。ネクタイを着用した際に、大剣がベルトに半分くらい掛かる長さが適正。仕上がりの長さはネクタイ自体の長さだけでなく、結び方、首の太さ、上半身の長さなどによって左右されます。ちなみに、ネクタイ自体の長さは140cmが一般的。それを基準にしつつ、自分の体型に合ったネクタイを見つけてみましょう。さらなら詳細は、下記の記事もご参考に。
▶「ネクタイの正しい長さはどのくらい? 目安から調節方法まで解説」
ジャケットのラペルと幅を合わせる
「ラペル」とはジャケットの「下襟」のこと。Vゾーンの外側にあってネクタイと並ぶことになるため、ネクタイとラペルの最大幅を合わせると、バランスが整います。あえて幅をズラす高等テクニックもありますが、原則としてネクタイとラペルの幅は合わせるようにしましょう。
色や柄による印象の違いに気を付ける
すでに細かく解説してきたように、ネクタイは色や柄によって印象が変化。選択肢の自由度が高い分、色や柄の印象までしっかり考慮してネクタイを選ぶ必要があります。ネクタイ単体で考えるのではなく、シャツやスーツとの組み合わせもチェックするのがポイント。全身トータルでカラーリングを組み立てるように意識しましょう。
シルク以外を選ぶなら季節感を意識する
ネクタイの素材はシルクが圧倒的な主流。シルクやそれに近い生地感を選んでおけば間違いは起きませんが、それ以外の素材を選ぶ場合は注意が必要です。ポイントは「季節感」を合わせること。素材に関しては、「ウール」は秋冬向き、「リネン」や「コットン」は春夏向きとだけ覚えておけば問題ありません。生地に関しては、「ニット」は秋冬用、「フレスコ」は春夏用というところまで押さえられたら万全です。スーツの生地も季節感が重要ですので、スーツとネクタイの季節感は揃っているのが必然です。
フォーマル度にも注意する
ネクタイの色柄や素材によってフォーマル度が変わる点も意識しましょう。大まかにまとめると、「色柄」はダークなほどフォーマル度が高く、「生地感」は目が詰まって光沢があるほどフォーマルになります。もう少し具体的に説明すると、柄に関してはフォーマル度が高い順に下記の順番。 「無地」>「細かいドット柄」>「小紋柄」>「レジメンタルストライプ」>「他の柄」 色に関しては、フォーマル度が高い順番に下記の通り。 「モノトーン」>「定番カラーのダークトーン」>「定番カラー」>「他のカラー」 素材も下記のようにフォーマル度が異なります。 「シルク」>「シルク風の生地」>「リネン」>「コットン」>「ウール」 上記はあくまで目安で、要素の掛け合わせでフォーマル度も変化。総合的に判断するのが難しい場合は、フォーマル度が高いほうのネクタイを選ぶようにしましょう。
【まとめ】ネクタイは種類が多いので、お気に入りのブランドで統一するという手も
改めてまとめてみると、ネクタイの種類が本当にたくさんあるということがわかりました。選ぶのに悩んでしまうかもしれませんが、「おしゃれなネクタイ選びのポイント」を参考に、お気に入りのネクタイを見つけ出してみてください。また今回は触れませんでしたが、信頼できるブランドからネクタイを選ぶという方法もあります。同じブランドで揃えれば、細かいバリエーションはあってもテイストや品質などに統一感のあるネクタイが揃うことになり、それが自分らしい個性につながります。ちなみに〈SOLVE(ソルブ)〉でもネクタイを展開。ビジネス、ビジカジ、フォーマルに対応する、シンプルだけど上質で使いやすい正統派のネクタイがたくさん揃っています。
関連コンテンツ
RECOMMEND
FOLLOW SNS
そのほかSNSも運営しておりますので、
是非フォローください