ビジネスで着るメンズのニットベストの選び方
ビジネスシーンのコーディネートにおいて、ニットウェアもベスト(ジレ)もよく見かけるアイテムですが、「ニットベスト」となると意外とマイナーな存在になるのではないでしょうか。着こなせている人が少ないからこそ、着こなしただけでおしゃれ度はアップ!! 動きやすさを犠牲にせずに保温性をプラスできるという機能面のメリットもあるため、ビジネスシーンでもニットベストを活用するのがおすすめです。まずは、ニットベストの選び方から解説します!
ハイゲージニットを選ぶ
ニットウェアは生地感が印象を左右します。厚手でざっくりした生地は、カジュアルで粗野な印象に。薄手のなめらかな生地は、上質感があって品位も感じられます。当然ながら、後者のほうがビジネススタイルにマッチ。具体的には、「ハイゲージニット」と呼ばれる編み目が細かい薄手生地のニットベストを選ぶようにしましょう。
同じハイゲージニットでも、ウール、カシミヤ、アクリルといった素材によって価格の幅があるので、予算を考慮しつつ素材を選ぶのがおすすめです。
定番カラーからセレクトする
ニットベストはウェア類にしては面積が小さいため、アクセントとして活用したくなりますが、悪目立ちするとカジュアル感が際立ってしまいます。そのため、あくまで脇役として、さり気なくプラスするくらいの着こなしのがおすすめです。
そのためには、定番カラーを選ぶのがセオリー。「ネイビー」「グレー」「ブラック」がおすすめです。ジャケットやスラックス、小物類といった他のアイテムと色を揃え、コーディネートになじませるとビジネス仕様になります。
また、柄も王道の無地がおすすめ。アーガイルチェックなどの伝統柄を採用したニットベストも少なくありませんが、ビジネスシーンで着回すことを考えれば、使いやすくて落ち着きのある無地を選びましょう。
フルオープンのスリムなタイプを選ぶ
実はニットベストにもいろいろなデザインがあります。まずは首元のデザイン。クルーネックやVネックなどがありますが、シャツがメインとなるビジネススタイルには深めに開いた「Vネック」が好相性です。
次にフロントのデザイン。フロントが開かず頭からすっぽり被るプルオーバー仕様と、フロントが開くフルオープン仕様があります。プルオーバーでも使えますが、ビジネスシーンではジレに近い「ボタン式のフルオープン」がイチ押しです。
さらにシルエット。ビジネススタイルではジャストサイズが原則なので、ニットベストもジャストなサイズ感が基本です。ウエストが適度に絞られたスリムなシルエットなら、品良く着こなしやすくなります。
メンテナンスを考慮する
ニット地を使ったアイテムには、独特なメンテナンスが欠かせません。慣れてしまえば難しくはありませんが、着用後には毛玉を取ったり、毛並みを整えたり、湿気を取るために陰干ししたりする必要があります。
また、「手洗い」やそれに近い方法で優しく洗うのが原則。洗濯機を使う場合も「手洗いコース」などで洗うのが基本です。
そうしたケアの手間まで考慮してニットベストを選ぶと、日常的に活用しやすくなります。最近は洗濯しやすい「イージーケア」なニットウェアも増えているので、ウォッシャブル機能を必須にしてニットベストを選ぶのも賢い方法です。
重ね着のしやすさを意識する
ビジネススタイルは全般的にジャストサイズが原則ですが、ニットベストも当然、「ジャストサイズ」で。とくにスーツに合わせる場合は、ジャケットの下にニットベストを着用することになるため、スーツとのバランスが重要になります。
その一方、シャツの上にレイヤードする必要もあるため、小さめや細身なら良いというわけでもありません。ニットベストを含むすべてのアイテムをジャストサイズで揃えるようにしましょう。
また、「薄手の生地」を選んでかさ張らないようにするのもポイント。レイヤードすることを意識して、使いやすいニットベストを見つけてください!
ビジネスで着るメンズのニットベストのおすすめコーデ6選
ビジネスシーンに適したニットベストの目星はついたでしょうか? 選び方のポイントをいろいろと挙げましたが、実際のコーディネートをイメージすると、どのポイントも重要なのがわかるはずです。ここでいろいろなテイストのコーディネート例を紹介するので、自分ならどんなニットベストを合わせるのかを具体的にイメージしつつ、実際に着こなす際に参考にしてください!!
正統派スーツコーデ
ニットベストは「ジレのように着る」のが基本。シャツの上に重ね、ネクタイはニットベストに中に入れて固定します。ニットベストのボタンは一番下だけを外して、ほかはすべて留めるのが原則。ジャケットのボタンはすべて外すのが通例です。
定番カラーの無地さえ選べば、ニットベストはたいていのスーツにマッチしますが、ここではニットベスト、スーツ、ネクタイをグレーの同系色で統一。スタイリッシュにまとめています。その一方、明るさの変化で立体感を生み出し、奥行きのある洒脱なスーツスタイルに。
ビジネスカジュアルコーデ(基本)
ニットベストは「ビジネスカジュアル」でも大活躍。正統派のシャツスタイルに重ねるだけで、保温性だけでなくおしゃれなイメージもアップします。
品良くまとめるコツは統一感。スラックスに近い色のニットベストを選ぶと、セットアップのような連帯感が生まれ、全身がまとまりやすくなります。そんなベースを作っておけば、シャツはどんなタイプでもOK。ここでは、シャツスタイルだからこそ取り入れやすいダークなブルーのシャツを選んでいます。メランジュ調の表情があるため、こなれたムードも醸出。
ビジネスカジュアルコーデ(冬仕様)
寒い季節のビジネスカジュアルでこそ、ニットベストは重宝します。保温性が高められるだけでなく、袖がなくて腕が動かしやすいのでデスクワークなどの作業を邪魔しないというメリットも。そうした特徴を最大限に活かすなら、タートルネックセーター+ニットベストの組み合わせがおすすめです。
タートルネックのセーターは二重になっている首周りの保温性が高いのですが、そこにニットベストを重ねることで、ボディ部分の保温性が補完できます。また、ニット製のセーターならストレッチ性が高く、動きやすさもキープ可能です。
あまり慣れていない組み合わせでコーディネートが難しく感じるかもしれませんが、両者を定番カラーにすればすんなりマッチ。同系色で揃えれば、よりスタイリッシュにまとまります。
ビジネスカジュアルコーデ(モノトーン)
ジレに近いニットベストを選び、黒を効かせたモノトーンのビジネスカジュアルコーデ。無彩色ならではのクールなイメージを感じさせますが、グレー〜ブラックのグラデーションでさり気なく表情を生み出し、ビジネスシーンにマッチする雰囲気に仕上げたさじ加減が絶妙です。
シャツを白に変えると、よりフォーマル度が高まりますが、むしろフォーマルになり過ぎる懸念が。最初は少し色味のあるシャツを選ぶか、ニットベストをブラック以外のカラーにして、適度にカジュアルダウンしつつ着こなしてみてください!
スリーピース風コーデ
スーツと同じ色のニットベストをプラスすると、疑似的スリーピーススタイルに昇華します。それなら最初からスリーピースを着こなせば良いと思うかもしれませんが、スリーピースはクラシックな風格が漂い、老けて見えたりフォーマル過ぎたりする印象を与えたりすることも。ニットベストで適度にカジュアルダウンすれば、日常的なスーツとしてのバランスに収まりやすくなります。
この実例ではとくに、スーツ、ニットベスト(ジレ)、ネクタイをダークなネイビーで統一。それでも単調になっていないのは、3者の生地感が異なっているから。立体的でこなれたムードのスーツスタイルに仕上がっています。
カジュアルフライデーコーデ
普段よりもカジュアルな服装での出勤を呼びかけるのが「カジュアルデー」ですが、ネクタイをしてはいけないというわけではありません。ニットベストを活用することで、タイドアップによるビジネスライクな品格を備えながらも、リラクシングなカジュアル感もある着こなしが築けます。
このコーディネートはその好例。ビジネススタイルで主流のダークカラーではなく、明るいトーンのカラーをメインにして、軽快感を演出しているのが最大のポイントです。淡いサックスブルーのシャツに白いパンツを組み合わせ、軽やかに仕上げています。その一方、ダークネイビーのジレ型ニットベストを加え、ビジネスライクな落ち着きも確保。ウールタイを締めることで、フォーマル過ぎない品格を上乗せしたバランスも絶妙です!
ビジネスで着るメンズのニットベストの適切な場面
ニットベストはスーツからビジネスカジュアルまで着用でき、上手に活用することで温度調整やコーディネートの幅が広がります。ただし、少しカジュアルな印象になってしまうのも事実。ビジネスカジュアルと同じフォーマル度(カジュアル度)だと考えていれば問題はありませんが、ニットベストが着用できるシーンを具体的に解説しておきましょう。
オフィスの日常業務
オフィスから出ることのない日常業務では、ビジネスカジュアルやオフィスカジュアルが認められているケースが増えています。当然、ニットベストを使ったコーディネートでも問題はありません。
外は寒くてオフィス内は温かいケースも珍しくないので、ニットベストの着脱によって温度調整ができるように想定しておくと便利です。
ビジネスカジュアルデー
カジュアルな服装を推奨することで、職場に新鮮な空気を取り込み、コミュニケーションの促進などを図る「カジュアルデー」を設定している企業は少なくありません。その際のドレスコードはビジネスカジュアルになるため、ニットベストを活用してジャケットスタイルをカジュアルダウンするのも有効な手段です。
さらに着崩したい場合は、ジャケットを脱いで過ごせるように想定してコーディネートを組み立てましょう!
クライアントとのカジュアルな会議やランチ
フォーマルな会議や会食でニットベストを着るのは避けたほうがベターですが、カジュアルなミーティングやランチではニットベストを着用しても許されるケースが大半です。とくに、関係値が築けているクライアントが相手であれば、問題はないしょう。
訪問先の会議室やレストランなどの温度は実際に行ってみないとわかりませんし、席の位置などによっても体感温度は変わるので、ニットベストを活用して温度調整ができるようにしておくのがおすすめです。
寒い季節のオフィスでの着用
省エネの観点などから、冬でのオフィスの設定温度が高くなりすぎないように意識している企業が増えています。体感温度は人それぞれなので、オフィスで肌寒いと感じるようなら、服装で温度を調節するしかありません。そんな時に重宝するのがニットベストです。体の中心部をカバーできるので見た目以上に温かく、袖がないのでデスク作業などの妨げにならないという利点を備えています。
暑くなったら脱げば良いので、寒く感じた時のためにニットベストを常備しておくと便利です。
出張や外出先での業務
ニットベストの中でも薄手のタイプを選べば、かさ張らない割に高い保温性を備えています。その機能面を考えると、出張や外出の際にも便利です。飛行機や新幹線などで移動する際は、乗り物の内外や屋内外などの寒暖差が意外と大きいため、ニットベストの活用によって温度調整がしやすいようにしておくのが賢明です。
訪問先でフォーマルな服装にする必要がある場合は、必要に応じてニットベストを脱いでフォーマル度が高めれられるようにしておけば万全です。
ビジネスセミナーや研修
勤務時間内にセミナーや研修に参加すう機会があるかもしれませんが、それらは学ぶのが目的。業務を行う時よりも服装の自由度は高まります。集中して学べるように、温度調整がしやすく動きやすさも兼備したニットベストを活用するのがおすすめです。
もしも服装の指定がある場合はそれに従う必要がありますが、そうでない限りはニットベストを活用しつつ、リラックスできるビジネスカジュアルの服装で臨むようにしましょう。
ビジネスで着るメンズのニットベストに関してよくある質問
ビジネスシーンでニットベストを着用したことがない人にとっては、少し躊躇してしまう気持ちもわかります。ここで、ニットベストの着用に関するよくある質問を紹介しつつ、詳しく解説しますので、疑問は払拭してしまいましょう。ニットベストを避けるべきシーンだけはしっかりと把握しつつ、活用可能なシーンではできる限り使ってみてください!
ビジネスの中でニットベストを避けるべきの場面は?
ニットベストをスーツに合わせる着こなしは、スリーピースに近いフォーマル度を感じさせることもありますが、生地がニットなので比較的カジュアル。フォーマルなシーンやオフィシャルな場面では避けたおいたほうが無難です。とくにNGとすべきシーンも挙げておきましょう。
当然ながら、フォーマルな場では避けるのが原則。公式行儀や式典などはフォーマル度の高いスーツスタイルでの臨むのがマナーです。
社外の仕事相手と会う重要な商談や交渉の場面でも、カジュアルな印象のあるニットベストは着ないようにしましょう。カジュアルなミーティングなどでも、初対面の相手と会う場合は避けておいたほうが無難です。
社内においても、経営層が参加するような重要度の高い会議やプレゼンテーションではニットベストは着用しないほうがベターです。
学生やおじさんに見えないおしゃれなニットベストは?
ニットベストをビジネスパーソンらしく着こなすには、アイテム選びが重要です。もっとも効果があるのは、「ジレタイプ」のニットベストを選ぶこと。ジレとは、スリーピースのスーツに含まれているような仕様のベストのことで、フロントがボタン式のフルオープンで、V字型のネックが深めになっているのが特徴です。
当然ながら、ジレタイプはスーツとの相性が抜群で、上品に着こなせます。反対に、プルオーバータイプでネックが浅めのニットベストは幼く見えがちなので、その意味では避けるのがおすすめです。
柄も重要な要素で、カラフルで派手な柄は学生っぽく見えがち。学生のスタイルが起源のプレッピーやアイビーといったスタイルを連想させるからです。また、伝統的な柄はおじさんっぽく見えがち。とくに暖色がメインの地味な配色は、老けた印象や枯れたイメージを与えてしまいます。そこで、ビジネスシーンでは無地を選ぶのがおすすめです。
カラーのイチ押しはネイビー。定番カラーの中でも爽やかさが感じられるため、老けた雰囲気や枯れたムードが抑えられます。ジレに近いネイビーのニットベストを選び、スリーピースのような正統派のスーツスタイルにまとめると、優秀なビジネスパーソンという印象が打ち出せます!
ベスト・セーター・カーディガンの違いは?
ニット生地を使ったトップスのなかで、ビジネスシーンでも着用できるのは「ベスト」「セーター」「カーディガン」です。なんとなく違いはわかっているかもしれませんが、ここで改めて明確にしておきましょう。
まず今回のテーマでもある「ベスト」とは、「袖のない羽織り物」のこと。ノースリーブとの違いは、トップスやアウターの上に重ねるのが基本という点です。日本では「チョッキ」や「ジレ」と呼ばれることもありますが、「ジレ」はとくにフォーマルなスーツなどに合わせるベストを指すこともあります。
「セーター」とはもともと、ニット生地のトップス全般を指します。つまり、本来はカーディガンもセーターの一部。ただし日本では、プルオーバー仕様のトップスをセーターと呼ぶケースがほとんどです。
「カーディガン」とは、ニット生地のトップスの中でも前開き仕様になっているアイテムのこと。フロントが開くため、インナーだけでなくアウターとしても使えるのが特徴です。
【まとめ】ジレのように使えるニットベストで着こなしの幅を拡張!
ビジネスシーンでニットベストを活用する方法は見えてきたでしょうか? ジレのような見た目のニットベストがあると、スーツスタイルからビジネスカジュアルまで幅広く活躍してくれるので、納得できる逸品を探してみてください。
実は〈SOLVE(ソルブ)〉のニットベストもジレに近いデザインで、アイテム名も「Mellow Knit ジレ ウォッシャブル メリノウール」。タイドアップした際のバランスを重視し、首元の開き具合にこだわっています。その一方、ニット生地ならではの着用感も両立。ウール100%で高級感が強いにも関わらず、自宅で洗濯できてケアがしやすい人気商品なので、機会があれば活用してみてください!!
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