2024/09/18

【50代メンズ必見】ビジネスカジュアルを着こなすための攻略法

ビジネスカジュアル

企画：SOLVE編集部文章：平格彦(AllAbout「メンズファッション」ガイド／編集者／ライター)

50代メンズにビジネスカジュアルは重要？ 2つのメリットを解説

以前までスーツが制服となっていたような企業や職種でも、ビジネスカジュアルが認められるようになり、年代を問わず定番化しています。その反面、年相応の品格が感じられるコーディネートにする必要があるのもまた事実です。そのバランスが難しいと感じても無理はありません。そこで今回は、50代のビジネスカジュアルについて解説します。まずは、50代がビジネスカジュアルを取りれるメリットについて考えてみましょう。

若々しく見える

ビジネスシーンに限らず、カジュアルなコーディネートを着こなせていると、若々しい印象になります。それはビジネスカジュアルでも同じ。上手に着こなしながらも若作りしている印象が避けられれば、おしゃれで若々しいイメージが醸出できます。

また、50代はスーツが中心だった世代なので、ビジネスカジュアルを上手に着こなせている人がまだまだ多くはありません。そのため、スタンダードなビジネスカジュアルをきちんと着こなせるだけでおしゃれに映ります。50代だからこそビジネスカジュアルを着こなすメリットがあるというわけです。

快適さと動きやすさがアップする

スーツには背筋が伸びるといったメリットがありますが、ビジネスカジュアルはその反対。リラックスでき、快適性が高まるという大きなメリットがあります。ビジネスカジュアルに用いるアイテムはストレッチ性に優れているタイプが多いため、動きやすさも向上。作業がしやすくなるという利点もあるのです。

スーツスタイルに慣れているとビジネスカジュアルは不要に思えるかもしれませんが、これだけのメリットがあり、オフのプライベートにも流用しやすいため、ビジネスカジュアルを着こなす意味は大いにあります。

50代メンズのビジネスカジュアルの基本ルール

ビジネスカジュアルはスーツスタイルよりもカジュアルではありますが、仕事着であることが大前提。正統派のジャケパンスタイルをベースにするのが基本です。さらに、50代だからこそ気をつけたいポイントもありますので、ここで解説しておきます。

ビジネスカジュアルとオフィスカジュアルの違いを明確に

50代ともなれば、ビジネス上のルールや常識をわきまえているような年代です。職場のドレスコードに関しては、ビジネスカジュアルとオフィスカジュアルの違いまで明確に理解しておいたほうが良いはずです。簡単に両者の違いをまとめると、下記の通りです。

ビジネスカジュアル：ビジネスシーン全般で着用可能な適度にカジュアルな服装
オフィスカジュアル：オフィス（＝自社の職場）のみで着用可能なカジュアルな服装

つまり、カジュアルな仕事着の中でも、クライアントに会えるような服装が「ビジネスカジュアル」です。スーツよりカジュアルなスタイルとは言え、それなりの品格が不可欠となります。50代だからこそ、この定義を忘れずにコーディネートするように心がけてください。

50代メンズにふさわしい風格も忘れずに

ビジネスカジュアルはスーツスタイルと比べると、自由の余地がある服装です。だからこそセンスが問われるのですが、50代にも関わらず自分の個性や好みばかりを優先してしまうと、常識が欠けている印象や若作りしているイメージを与えかねません。軽薄な印象の服装は避けるのがおすすめです。

重視したいのは、50代にふさわしい「風格」です。「正統派」のコーディネートを軸にしつつ、「上質感」や「重厚感」を意識すれば、風格は自ずと生まれてきます。風格があるかどうかを自問自答しながら、コーディネートを確認してみてください。

50代メンズのビジネスカジュアルに取り入れたいアイテム7選

基本ルールが理解できても、実際のアイテム選びに落とし込むのは難しいかもしれません。そこで、50代のビジネスカジュアルにおすすめのアイテムと、その選び方もまとめておきます。ここで挙げる7点をき正しくセレクトできれば、年齢に合った品のあるビジネスカジュアルが築けるようになります。

ジャケット

ビジネスシーンでジャケットと言えば、「テーラードジャケット」のことを指します。そして、テーラードジャケットを使った「ジャケパンスタイル」がビジネスカジュアルのベースです。つまり、ビジネスカジュアルにおいてテーラードジャケットは必需品と言えます。

ジャケットの仕様は、スーツのジャケットと同じディテールが定番。ノッチドラペル、フラップ付きセットインポケット、センターベントかサイドベンツが入っている仕様が主流です。そして、シングルの2ボタン、もしくはダブルブレストを選ぶようにしましょう。

ただし、スーツのジャケットは流用しないようにしてください。着丈などの設定が異なるからです。単体でのコーディネートも想定したジャケットを選ぶようにしましょう。

50代ならではの風格を醸し出すためには、ウールやカシミヤなどの素材を用いた上質感のある生地のジャケットを選ぶのがおすすめ。最近は機能性の高いジャケットも増えていますが、上質感を必須条件にして選んでください。

ドレスシャツ

20〜30代のビジネスカジュアルではインナーにTシャツを合わせるのが定番になっていますが、40代以上はより品のある「ドレスシャツ」を基本にするのがおすすめ。50代という年齢にふさわしい品格や落ち着いた印象をインナーからも演出するようにしましょう。その意味では、シャツの色も定番カラーを選ぶのが賢明です。

また、ビジネスカジュアルはノータイが原則なので、ネクタイがなくても首元が決まりやすい襟型を選ぶことも大切です。定番の襟型は、ボタンダウンカラー、カッタウェイカラー、ワイドカラー。急な来客や予定外の会議などで、突発的にネクタイを着用してフォーマル度を高める可能性があるなら、オールマイティーに使えるセミワイドカラーを選んでおけば慌てずにすみます。

ニットセーター

保温性を高めたい場合や、コーディネートに少し変化がほしい場合は、「ニットセーター」を活用すると便利。目が細かくて上品なハイゲージニットを使ったシンプルなセーターなら、どんなコーディネートにもマッチします。

ニット生地を使ったセーターにもいろいろなデザインがありますが、ドレスシャツの上に重ねるならVネックが好バランス。タートルネックはシャツを使わなくても上品な首元に仕上がり、首周りの保温性が上乗せできます。

ニットウェアはデザインだけでなく、カラーや素材もバリエーションが豊富ですが、50代としては形も色も王道的なタイプを選び、風格を醸すのがおすすめ。ウールやカシミヤをメインにした生地を採用しているなど、上質感のあるアイテムも風格の醸出に貢献してくれます。

スラックス

パンツもやはり、風格や落ち着きを感じさせるタイプが第一の選択肢。フォーマル度の高い正統派の「スラックス」が必需品となります。

最近はイージパンツの仕様を取り入れたタイプなども増えていますが、50代にふさわしいのは上質感のある生地を使ったタイプ。ウール素材を使ったスラックスを選ぶのがおすすめです。

当然、シルエットやサイズ感もスタンダードが原則。裾に向かって適度に絞ったテーパードシルエットなら、足元も品良くまとまります。

定番カラーはチャコーグレーですが、季節に合わせて明るめのグレーを選んだり、ネイビーやブラックで少し外したりすると、コーディネートの幅が広がります。

チノパン

パンツで少しカジュアルダウンしたい場合は、「チノパン」が最適です。象徴的なチノクロスの生地感はややカジュアルですが、スラックスに近いシンプルなデザインを選べば、50代のビジネスカジュアルにもなじむ品格を備えています。

チノパンの定番カラーと言えばベージュやカーキですが、より落ち着いたコーディネートを目指すなら、ダークネイビー、チャコールグレー、ブラックなどが適任。標準的な太さのテーパードシルエットを選び、品良く穿きこなすようにしましょう。

レザーシューズ

足先まできちんと風格をまとうためには、レザーシューズを選ぶのが必須。とは言え、ビジネスカジュアルならではの適度な着崩し感も必要なので、レザーシューズの中で少しカジュアルな「ローファー」や「Uチップ」などがしっくりきます。

カラーは王道のブラックかブラウンがベター。少しヒネるとしても、定番のバーガンディーを選択肢に加えるくらいにしましょう。

コーディネートする際はシューズとパンツの色や明るさを揃えるのがおすすめ。スーツスタイルでもおなじみのテクニックですが、足元が悪目立ちせず、コーディネート全体にまとまりが生まれて品良く仕上がります。

ネクタイ

年代を問わず、ビジネスカジュアルではノータイが基本。ただし、シーンに合わせてネクタイをプラスできるようにしておくと便利です。

とくに、重要な会議に緊急招集されたり、クライアントから急に呼び出されたりする可能性があるなら、ネクタイを追加してフォーマル度をアップできるようにしておく必要があります。その際は、スーツに合わせるようなシルク素材のネクタイを選ぶのが原則。柄は、定番のレジメンタルストライプかシンプルな無地がベターです。

ビジネスカジュアルのテイストは変えず、おしゃれな小物としてネクタイを活用しても良いでしょう。50代らしい上品なアクセントとしてうってつけだからです。その場合は、少しカジュアルな表情のウールタイやニットタイが適任。そのシーズンらしい色のネクタイを選んで季節感やトレンド感をさり気なく演出すると、大人っぽいおしゃれが楽しめます。

【季節別】50代メンズのビジネスカジュアルコーデ術

イメージをつかみやすくするために、実際のコーディネートも紹介しておきましょう。50代のビジネスカジュアルは、上質感や重厚感によって風格を感じさせるコーディネートにまとめるのが重要なポイント。正統派のジャケパンスタイルをベースにしつつ、さり気なくアレンジしてみてください。

春夏のビジネスカジュアルコーデ

ジャケットとスラックスを別々に着回せるセットアップを使ったコーディネートは、ジャケパンスタイルの1種とも言えます。セットアップはスーツよりもカジュアルなアイテムなので、その意味でもビジネスカジュアルには適しているため、人気が高まっているのも納得。そんなセットアップを用いつつ、淡いグレーのシャツを合わせることで、こなれ感や落ち着きを加味したのがこの実例のポイントです。

また、カッタウェイカラーのシャツを選ぶことで、首元をすっきり仕上げたのもおしゃれに見える理由。いたってシンプルなコーディネートですが、シャツの色味と襟型でさり気なくブラッシュアップしているのが絶妙です。レザーシューズの中からローファーをセレクトし、ベルトもメッシュ地を選ぶなど、細部まで適度にカジュアルダウンした審美眼も見事！

秋冬のビジネスカジュアルコーデ

50代のビジネスカジュアルはドレスシャツをインナーにするが基本形ですが、上質感のあるニットをインナーにしてもOK。ネックに高さのあるニットを選ぶと、首元に温もりと品の良さが生まれ、大人のビジネスカジュアルとしてふさわしいコーディネートに仕上がります。

そんなニットの代表格はタートルネックニットですが、ここで選んでいるのはモックネックニット。さり気ないネックの高さが、スマートな秋のコーディネート作りに重宝します。

さらにこの実例では、ダブルジャケットを選んで50代にぴったりの重厚感も醸出。全体の色使いをグレーからブラックのダークなモノトーンにすることで、クールで都会的なコーディネートにまとめているのもポイントです。

50代メンズのビジネスカジュアルに関するよくある質問

50代のビジネスカジュアルに関する質問のうち、耳にすることの多い内容を最後に紹介。ひと通り回答していきます。共通するポイントはやはり、ビジネスシーンで着用する仕事着であることを忘れず、周囲に不快感を与えない身なりに整えること。そのための近道は、正統派のスタンダードなジャケパンスタイルをベースにすることに尽きます。

ビジネスカジュアルに適した髪型は？

50代になると、髪の毛に関する悩みも増えてきます。「白髪が増えた」「薄くなった」「トップのボリュームがなくなった」といった変化が定番。そうした悩みやコンプレックスを強調しないような髪型を選ぶのが大前提です。基本的には「動き」のあるヘアスタイルにするのがおすすめ。白髪を活かしたり、ボリューム感をカバーしたりしやすいからです。

その上でビジネスシーンに適した「清潔感」のある髪型にできたら申し分ないでしょう。刈り上げやツーブロックなども駆使して、小ぎれいな印象のヘアスタイルを目指してください。

ビジネスカジュアルで避けるべきアイテムは？

50代に限ったことではありませんが、ビジネスカジュアルとはいえ仕事着なので、ラフすぎるアイテムは避けるようにしましょう。インパクトのあるデザイン、派手なカラー、大きなロゴ、存在感のある柄などを使ったアイテムは選ばないに越したことはありません。大人っぽい風格を意識するという意味でも、ラフすぎるアイテムは使わないのがベターです。

細かいアイテムの可否は職場や会社のルール、周囲のカジュアル度などに合わせる必要もありますが、50代はむしろ周りの規範となるような服装を目指すべき。オーセンティックなアイテムを選ぶようにするのがおすすめです。

自分に合ったビジネスカジュアルの見つけ方は？

ここまでの内容をきちんと把握できていれば自ずと回答が見えているかもしれませんが、自分に合うかどうかよりも、まずはクライアントに会っても失礼のないような服装であることを優先すべき。その意味でも、50代のビジネスカジュアルは正統派のジャケパンスタイルをベースにするのがおすすめです。

さらに、風格につながるような上質感のある生地や落ち着きのあるカラーを軸にすると、選択肢はかなり限られてきます。

そうした生地やカラーの中から、自分に似合うものや好きなものを見つけ出すようにするのが今回の回答になるでしょうか。たとえ定番的な生地やカラーであっても、ワードローブやコーディネートの軸にすることで、自分らしさがさり気なく漂うようになります。

【まとめ】50代メンズがビジネスカジュアルを制するためのエッセンス

何度か解説してきましたが、50代は「風格」を感じさせるようなビジネスカジュアルを目指すのがおすめです。そのためには、「正統派」のジャケパンスタイルをベースにしつつ、ノータイ仕様やアイテム選びで適度に着崩すようにしましょう。年相応のさり気ないカジュアルダウンができてこそ、年齢より少し若く見える印象になります。

〈SOLVE（ソルブ）〉には、正統派のビジネスカジュアルを構築するのに適したオーダーシャツや定番アイテムが揃っています。レザーシューズ以外はトータルコーディネートが可能ですので、必要なアイテムを探してみてください。