そもそもスリーピーススーツとは?
「スリーピース」のスーツとは、ジャケット、パンツ、ベスト(ジレ)を同じ生地で作ったスーツのこと。日本では「三つ揃え」とも呼ばれています。実は本来、スーツはスリーピースが基本でした。そのため、スリーピーススーツは「スーツの原点」とも言えます。
スリーピースはベストをプラスするだけ?
ビジネスシーンではジャケットとパンツ(スラックス)が同じ生地で統一されたツーピースのスーツが一般的ですが、そこにベストを追加すればスリーピースになるわけではありません。「ベストまで同じ生地」であることがスリーピースの絶対条件です。オッドベストと呼ばれる単体のベストを合わせるコーディネートも間違いではなく、スタイルが異なっているということ。ベストまで同じ生地で揃えたスリーピーススーツのほうが統一感が強く、独特な風格があります。
スリーピーススーツを客先で着るのはマナー違反?
スリーピーススーツをビジネスシーンで着てもマナー違反ではありません。ただし、注意も必要です。ポイントは、スリーピーススーツはスーツの原点であり、イギリスの紳士を彷彿させる「伝統」や「格式」を感じさせるスタイルであること。格式が高いからこそ、「なんだか偉そう」という印象を与えてしまう可能性もあるのです。そのため、スリーピーススーツは自分の立場や相手との関係性まで考慮して着用するのがおすすめ。初対面の方を訪ねる際は避けるようにしましょう。ちなみに、同じ理由で就職活動でスリーピースはNGです。さらに、お葬式でも着用しないのが原則。親族よりも格式が高く感じられる服装は避けるべきだからです。反対に、結婚式などの行事にはスリーピーススーツが適任。格式の高さがフォーマルな印象につながります。
スリーピーススーツを着る5つのメリット
スリーピーススーツの基本的な特徴は把握できたでしょうか? 特徴をさらに具体的にするため、ここではスリーピーススーツを着ることで生まれるメリットを5つ紹介します。
【メリット1】大人っぽい風格が演出できる
すでに説明した通り、「格式」を演出できるのがスリーピーススーツの大きな魅力。言い換えれば、大人っぽい「落ち着いたムード」や「ダンディーな雰囲気」が醸し出せます。風格が必要なときにはスリーピーススーツが頼りになるのです。
【メリット2】ベストで防寒対策ができる
スリーピーススーツはジャケットの内側にベストを着用するので、その分だけ「保温性」が向上します。つまり、コートを着るほど寒くはない秋口や春先に最適なスタイルです。また、ジャケットやベストを脱いでの「温度調整」がしやすいため、気温の変化が激しい季節に重宝します。
【メリット3】ジャケットを脱いでも品が良い
ジャケットを脱いでも「シャツ+ベスト」のコーディネートが残り、「きちんとした印象」がキープできるのも大きなメリット。ダラしなく見えず、失礼な印象にならならいため、使い慣れるとスリーピーススーツはかなり便利です。
【メリット4】コーディネートがアレンジできる
スリーピーススーツは「アレンジ」も楽しめます。共地の3点すべてを着用しなければならないわけではなく、アイテムを減らしたり差し替えたりして着回せるのです。例えば、ジャケットを脱いでベストをメインにしてもおしゃれ。ベストを使わずツーピースとしても着用できます。また、ニットベストなどに差し替えてカジュアルダウンすることも可能。色の違うスラックスを合わせれば、少しフォーマルなジャケパンスタイルも完成します。
【メリット5】体型カバーの効果も望める
ベストを着用することは、体型をカバーすることにもつながります。胸やお腹といった体の中心部を厚手の生地で覆うため、副次的に「体型が外側からわかりにくい」状態になるからです。さらに、ジャケットとベストのレイヤードによって上半身を分断することになるため、「細見え効果」も期待できます。体型が気になる人ほど、スリーピーススーツを活用しましょう。
スリーピーススーツをおしゃれに着こなすためのポイント
スリーピーススーツは格式が高いスタイルだからこそ、古臭い、おじさんっぽいといった印象を与えてしまうこともあります。そうしたダサい印象を避け、スタイリッシュに着こなすためのポイントを解説します。
体にフィットしたサイズを選ぶ
ベストとジャケットをレイヤードするスリーピーススーツは、「サイズ選び」がかなり重要。大きめのサイズ感だとダボッとした印象が増幅されてしまうからです。そのため、フィットするサイズ感を選ぶのが基本。窮屈に感じるほどスリムな必要はありませんが、「ジャストサイズ」を目指しましょう。
裾からシャツが見えない丈感に
スリーピーススーツのベストは着丈がジャケットよりもかなり短くなっています。ベストが短いほど脚長には見えますが、短すぎて裾からシャツが見えてしまうと途端にダラしない印象に。「パンツのベルトループを覆うくらいの長さ」が適正です。ちなみに、ベルトではなくサスペンダーを使うと、クラシックな印象がいっそう強くなります。
着こなす際の基本ルールを厳守
当然と言えば当然ですが、スリーピーススーツにもスーツの基本ルールが当てはまります。例えばベストにも「アンボタンマナー」が適用され、いちばん下のボタンは外すのが原則です。その一方、スリーピーススーツならではのルールもあります。「ジャケットのボタンはすべて外して全開にする」のが原則。さらに「シャツの襟先はベストの内側に入れる」のが基本です。こうしたルールを守るだけでスタイリッシュに映ります。
独特なVゾーンの見え方を意識
スリーピーススーツは「Vゾーンが狭くなる」のも特徴。ジャケットよりも胸の開きが浅いベストを合わせるからです。また、襟付きのベストを選ぶと「Vゾーンの立体感が増す」という特徴も。スリーピーススーツならではのVゾーンを意識して着こなすことが大切です。
ベストのボタンまで気を使う
スリーピーススーツのポイントはやはり「ベスト」。ジャケットを全開にしてベストが見えるように着こなすため、ベストのディテールによって印象が変わります。体を縦断するボタンはとくに目につくため、「ボタンの数」などの細部まで気を使うのがベター。ボタンの数が多いほど間隔が詰まってジャケットとの差が生まれ、ボタンが目立つようになります。ベストのボタンがジャケットと一緒なら問題ありませんが、もしも素材などが異なっていたら要注意。スリーピースならではの品格を損なっていないかチェックしましょう。
スリーピーススーツのポイント!ベストの種類
最後に、スリーピーススーツの重要なポイントであるベストの種類も紹介しておきます。「シングル」or「ダブル」、「襟なし」or「襟付き」の組み合わせによる4つのタイプが基本です。
襟なしシングルベスト
スリーピーススーツで使われているもっともベーシックなベストが「襟なしシングル」のタイプ。「Vest Single(ベストシングル)」とも呼ばれます。Vゾーンがやや深く、「バランスが良くネクタイが覗く」のが特徴。上半身がタイトにまとまりやすく、モダンなスリーピーススーツスタイルを築くことができます。
襟付きシングルベスト
「Lapeled Vest Single(ラペルドベスト シングル)」とも呼ばれる「襟付きシングル」のベストは、少しクラシックな「英国紳士のムード」が高まります。襟があるので胸元のボリューム感が増し、「胸板が厚く見える」のもポイント。男っぽい印象がアップします。
襟なしダブルベスト
「襟なしダブル」のベストは別名「Vest Double(ベストダブル)」。ダブルブレスト仕様ならではの存在感が特徴です。個性が感じられ、「モードなテイスト」や「アバンギャルドな雰囲気」を感じさせるのもポイント。モダンなスリーピーススーツで差別化したいときに最適です。
襟付きダブルベスト
「襟付きダブル」は「Lapeled Vest Double(ラペルドベスト ダブル)」とも呼ばれます。もっとも「重厚感」があり、男性的でダンディーな雰囲気がにじみ出るのが特徴的。だからこそ上級者向けで、ベテランのビジネスパーソンや貫禄がある体格の人にも似合います。
まとめ
スリーピーススーツを着る意味や魅力は伝わったでしょうか? 〈SOLVE(ソルブ)〉で本格的にスタートしたオーダースーツも、共地のベストを作ることでスリーピースになります。汎用性の高いシングルタイプのベストがベースで、襟の有無やボタンの数が選択可能。ジャケットとパンツのディテールも選べますので、自分好みのスリーピーススーツを誂えてみてください。
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