ネクタイピンの効果とは?
ネクタイピンとは文字通り、「ネクタイを留めるピン」のことです。ただし、実用的な役割だけでなく装飾的な意味合いも強くなっています。ネクタイピンの効果を具体的に解説しますので、付ける意味を再確認しましょう。
人気のネクタイピン
作業の時も邪魔にならない
ネクタイを固定していないと、前傾姿勢になった時にブラブラと揺れてしまいます。そのため、デスクなどで作業をしたり何かを持ち運んだりする際に邪魔になることも。「ネクタイピンで固定」すれば、邪魔になることはありません。ネクタイを肩に掛けるという方法もありますが、滑り落ちることも少なくないので、ネクタイピンを使ったほうが確実です。
食事中などでも安心できる
食事をする際にネクタイが垂れ下がって揺れていると、剣先などにソースや汁などがついてしまう可能性が。手を洗う時も前屈みになるため、ネクタイが濡れる恐れがあります。それらを防ぐためには、やっぱりネクタイピンが有効。「ネクタイを固定しておけば安心」です。
ネクタイが長持ちする
ネクタイがプラプラ揺れていると、どこかに擦れたり引っ掛かったりすることがあります。それはつまり、ネクタイの生地が毛羽立ったり傷んだりする可能性も高まるということ。ネクタイピンを使って動かないようにすれば、「ネクタイが傷む機会」を減らすことができ、結果としてネクタイが長持ちします。
オシャレにアレンジできる
ネクタイピンでネクタイを固定すると、胸元が「引き締まった印象」になります。また、ネクタイの結び目を少し引き上げて固定すると、ネクタイ全体に立体感が生まれ、「こなれた雰囲気」が演出可能です。そもそもメタリックで上質感のあるネクタイピンはアクセサリーのような存在感。「リュクスなアクセント」としてコーディネートをクラスアップしてくれます。
お勧めアイテム
正しいネクタイピンの付け方と位置
ネクタイピンの魅力や効果を最大限に引き出すには、正しく付けることが大切です。付け方や付ける位置に厳格なルールがあるわけではありませんが、コーディネートに合わせて正しく付けるのがおすすめです。
ネクタイピンの付け方
ネクタイピンを付ける際は、ネクタイの大剣&小剣にシャツを加えた「3枚」を一緒に留め、しっかりと固定するのが鉄則。また、「右から左へ」と挿し、「水平」になるように留めるのが原則です。ただし、カジュアルな着崩しが許されるパーティーなどでは、少し斜めに留めて遊び心を演出する方法もあります。
"ジャケットを着てネクタイをその内側に入れるとある程度は固定されるため、ネクタイピンの役割はアクセサリー的な意味合いが強くなります。そのため、「見える位置」に付けないと意味がありません。ただし、上に付け過ぎると悪目立ちしてしまうので、ネクタイピン全体が見えるようにしつつ、「低め」に付けるようにしましょう。一般的な目安は「シャツの第3ボタンと第4ボタンの間」くらいです。
ベスト着用時
ベストを着用するコーディネートでは、ベストでネクタイをしっかり固定でき、ネクタイピンを使用する必要はありません。そのため、ネクタイピンは「使わない」のが原則です。ただし見えなければ良い話なので、ベストの中に入れて外から見えないようにネクタイピンを付ければ問題ありません。そうすることでベストを脱いだ時でもネクタイが固定でき、実用的です。
ワイシャツ一枚の時
ジャケットを脱いでシャツ1枚になると、ネクタイがブラブラして邪魔になります。そのため、機能性を優先してネクタイピンを付けるようにしましょう。低めに付けたほうがネクタイが固定できるので、シャツの第4ボタンと第5ボタンの間くらいで留めるのが目安です。
お祝い事の時
ネクタイを「高め」の位置に付けると「リュクスな印象」や「華やかなムード」が生まれます。つまり、結婚式などのお祝い事や、パーティーなどのポジティブな集いに最適なムードが演出可能。適正な位置はスタイルによって変わりますが、「ネクタイが見えている部分の中心辺り」にネクタイピンを付けるとバランス良くまとまります。
ネクタイピンの選び方
ネクタイピンと言っても、実はバリエーションが豊か。何を選んで良いかわからなくても無理はありません。ネクタイピンを選ぶ際のポイントを5つの項目に分けて解説しますので、参考にしてください。
素材
ネクタイピンの定番素材は金属。ただし、同じ金属でも種類によって特性が異なり、「耐久性」の違いはとくに顕著です。リーズナブルな真鍮(しんちゅう/ブラス)などは、壊れやすく劣化しやすいのが原則。反対に、高価なゴールド、シルバー、プラチナは劣化しにくいものです。金属によって高級感も異なるので、予算や用途に合わせて選びましょう。
デザイン性
ビジネスシーンで使用できるネクタイピンは、「シルバー」の「シンプル」なデザインが原則。クセのないタイプを少なくとも1本は確保するようにしましょう。2本目以降に少し個性のあるタイプを選んでも問題はありませんが、ネクタイに付けるアイテムなので「ネクタイとの相性」も重要です。
ネクタイピンの長さ
ネクタイとの相性を考える場合は、「長さ」も重要。ネクタイの最大幅よりも長いネクタイピンは付けられません。また、ネクタイピンがあまりにも短いとアンバランス。付ける位置によってネクタイの幅は変わるので、その点も考慮してネクタイピンの長さを選びましょう。とは言え、あまり難しく考える必要はありません。標準的な長さならほとんど問題ないからです。ネクタイの最大幅は7.5〜8cmがスタンダードで、それに合わせるネクタイピンの長さは「5〜6cm」が一般的。
他の小物類との統一感
スーツスタイルでは、「小物類の色や素材を統一する」のが基本ルール。その原則はネクタイピンにも適用されます。例えばシルバーのネクタイピンを使うなら、ベルトのバックル、腕時計のバンド、カフスボタンなどもシルバーで揃えるのがセオリー。少し上級者向きになりますが、ゴールドで揃えるという手もあります。とにかく、他の小物との統一感まで考えてネクタイピンを選びましょう。
修理可能かどうか
ネクタイピンの種類によって、破損したり留めにくくなったりしやすいタイプもあります。ネクタイピン本体が壊れてしまったら修理できないケースがほとんどですが、バネなどの細かいパーツは交換したり修理したりできる場合もあります。修理できるかどうかに固執する必要はありませんが、「修理できたほうがベター」なのは確かです。
【シーン別】おすすめしたいネクタイピンの種類
ネクタイピンは種類によって形状や留め方はさまざま。シーンによって適したタイプも異なります。そこで最後は、「ビジネス」「パーティー」という2つのシーンに分けておすすめのネクタイピンを紹介します。
ビジネスにおすすめの種類
ビジネスシーンに相応しいネクタイピンは、シンプルなタイプです。装飾的な要素が少なく、知的なムードを演出できるデザインが最適。そんな観点からおすすできるのは、3つのタイプです。
タイクリップ(ワニ口式)
ネクタイピンの中で「もっともポピュラー」なタイプが「タイクリップ」です。その形状から「ワニ口式」などとも呼ばれています。棒状のパーツ2本を蝶番で留め、バネの力で閉じるようになっているのが基本原理。ワンタッチで留められるのに外れにくく、「使い勝手が抜群」です。
まずは1つ持っておきたいベーシックなネクタイピン
タイバー(クリップ式)
バネを使わず、挟み込むように使用するのが「タイバー」。少し紛らわしいのですが、「クリップ式」と呼ばれることもあります。ヘアピンを太くしたような形状が特徴的で、ネクタイピンのなかで「もっともシンプル」な構造です。金属の弾力で留める仕様のため、使い続けるうちに落ちやすくなる点は注意しましょう。
ショートクリップ
ナロータイにマッチするように短くしたネクタイピンが「ショートクリップ」です。仕様は「タイクリップ」か「タイバー」と同じで、ショートなサイズだけが異なります。標準的な幅のネクタイに付けるとバランスが悪いので、「細身のナロータイだけに付ける」のが原則です。
結婚式やパーティーにおすすめの種類
パーティーなどの華やかにシーンに相応しいネクタイピンは、どこか装飾的で華美なタイプ。象徴的なのは、ここで紹介する3種類です。活用できるようになると、フォーマルなコーディネートをリュクスに演出できます。
タイタックピン
「タイタック」と略されることも多い「タイタックピン」は、ピンを刺して固定するタイプ。頭頂部に宝石などを配置したデザインが主流で、「ピンバッジやブローチに似た華やかなムード」が魅力です。フォーマルなスタイルに装飾的な要素を加えたい時に重宝します。
タイチェーン
ネクタイで隠れたシャツのボタンに金具を引っ掛け、その金具の両端につながったチェーンの輪の中にネクタイを通して固定するのが「タイチェーン」です。チェーンがネクタイを横断するので、「ネックレスを付けているような印象」に。かなり華やかな印象で、パーティーシーンに最適です。
スティックピン
ベースは「タイタックピン」と変わりませんが、針の部分が長くなっているのが「スティックピン」。本来はスカーフを留めるアイテムでしたが、「アスコットタイの結び目などに刺して使う」ようにもなりました。ピンを刺すタイプのネクタイピンは生地を傷めやすいので、刺した穴が広がらないように注意しましょう。
まとめ
「ネクタイを固定する」という実用性があるネクタイピンは、スーツスタイルへの追加が許されている貴重なアイテムです。また、「華やかさがほしい時のアクセント」としても重宝します。つまり、ネクタイピンが使えるようになると、ビジネスでもプライベートでもコーディネートの選択肢が広がります。タイドアップする際は是非ネクタイピンを活用してみてください。
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